三味線は伝統がある日本の弦楽器。

三味線と言われると楽器を思い浮かべますが、実は三味線とは比喩としても使われます。

日常的に使える言葉なのでしょうか。

三味線に関する言葉、語源、どんな楽器なのか詳しく見ていきましょう。

三味線ってどんな楽器?

 

中国の楽器「三絃」が琉球に渡り「三線」となり、その後改良され16世紀ころに「三味線」となりました。

三線のころはヘビの皮を使っていましたが、三味線は猫皮や犬皮が一般的です。

人口皮を張っている三味線もありますが、それは稽古用だそうです。

猫皮は高価なので現在の多くは犬皮を使っているようです。

 

犬皮も決して安価なものではないですし、日本では手に入れにくいものなのでカンガルーの皮を張った比較的安価な三味線も出回りはじめているようです。

400年経った今でも三味線は進化を続けています。

 

三味線は撥で弾いて演奏しているイメージですが、弾く楽曲により爪で弾くこともあります。

また、ギターのように弾くものではなく、太鼓のように叩く方が実際のイメージに近いようです。

 

三味線は1つ1つ手作りされており、素材も高価なため一般的に多く使われている楽器よりも値が張り、なかなか手が出しにくい楽器です。

稽古用でも10~30万円、舞台用で300万円ほどもするそうです。

やはり、簡単には手を出せない楽器のようですね。

 

蛇足ですが、三味線には琉球蛇味線、太棹三味線、一般的に三味線といわれているものの3種類あります。

三味線が確立したころから各地に広まり、独自のスタイルをつくってきた歴史があります。

 

太棹三味線は津軽三味線ともいわれており、津軽三味線とは他とは異なったダイナミックで独創的な演奏をします。

津軽三味線は盲目の人たちが日々の糧を得るために、ダイナミックで自由な演奏をして注目を得ていたのが発祥といわれています。

 

三味線は芸能などで使用され、厳かなイメージが強かったのですが、決してその枠に捕らわれない楽器のようですね。

日本の伝統である三味線ですが、伝統の芯を残しながらも現代の若者も楽しめる楽器なのだと思います。

三味線の意味

 

三味線には相手を惑わすための言動という意味もあります。

ライバルを油断させて駆け引きする、実力を隠して油断させるといったときにも使用されます。

 

口三味線という言葉もあります。

その名の通り、口で三味線の伴奏を真似ます。

口先で巧みに相手を騙す、相手を丸め込むような言い回しをするという意味があります。

騙す、偽物、嘘といった意味になります。

 

このように、相手に調子を合わせて油断させることを「三味線を弾く」と表現します。

 

また麻雀でも三味線という言葉が使われます。

麻雀で使う場合は「他家の捨牌を自分の有利になるように誘導する行為」のことを指します。

この場合でもやはり実力を隠した駆け引き、相手を巧みに騙すという意味合いで使われていますね。

三味線の語源

 

三味線は相手を惑わすという意味があると前述しましたが、ではなぜ三味線がそういった言葉の比喩として使われるようになったのでしょうか。

 

それは三味線という楽器の弾き方からきているといわれています。

三味線は語り手の声域にあわせて調子を決定します。

ギターやヴァイオリンといった弦楽器は音を合わせることをチューニングといいますが、三味線は「調子を合わせる」というそうです。

また、相手の唄に適当に合わせられる、ということから前述のような比喩として使われるようになったといわれています。

 

この説以外に三味線は猫皮を使っていることから「猫の皮をかぶる」とかかっているともいわれています。

猫の皮をかぶるというのは本性を隠しておとなしく振舞う様を指します。

そのことから人を惑わせるという意味につながるというものです。

 

口三味線は口で三味線の伴奏を真似る、つまり偽物であるということが語源のようです。

言葉で騙すというより口で騙すというのが本来の形のようですね。

 

また、この他に三味線は成績をいいことをあらわします。

昔は成績を甲、乙、丙、丁とあらわしており、三味線の形が甲に似ていることからそういわれるようになったようです。

まとめ

 


 

・三味線は相手を惑わせる、本心を隠した言動をするといった意味がある。

・口三味線は偽物、言葉巧みに相手を騙すといった意味があり、麻雀で主に使われる。

・成績がいいという意味でも使われる。

 

楽器の三味線の弾き方からつくられた言葉なのですね。

なかなか相手の嘘を指摘する場面がないので三味線を弾くと口に出すことは少なそうな言葉です。

しかし日本の風流を感じる美しい言葉なので廃れずに残っていってほしいですね。

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