何かを盗んだりすることでよく使われる「万引き」。老若男女構わず皆さん使っている言葉かと思いますが、よくよく考えてみると、言葉の由来が検討がつきませんよね。日本語にはこういった元の由来が分かりづらい言葉が数多くあります。

また「物を盗む」という行為に関して、「万引き」のほかにも様々な言葉があります。それらと「万引き」の違いはなんでしょう?早速調べて見ました。

「万引き」の由来

「万引き」とは、商品を間引いて盗むことから由来しています。「間引き」が語源で次第に撥音の「ん」が入っていったようです。「間引き」にはそもそも、野菜が出来すぎないように余分な苗を抜く行為のことを指しています。

また「間」には「運」の意味を持ち合わせているため、「間」と「運」が結合され、運を狙って引き抜くという意味も合わさって「万引き」となった説もあります。タイミングがいいことなどを「間がいい」など、「間に合った」など現在でもいいますよね。こういった意味も含まれているようです。

こそっと苗を抜いていくことから、堂々と物を盗むことではなく、小さいものなどをサッと一眼を憚って盗む行為に「万引き」が使われるようになりました。

「万引き」の意味

ではどういう時に「万引き」という言葉が使われるのでしょう。先程お伝えしたように、大きいものを堂々と盗んでいくことに対しては使わず、小さなものをこそっと盗むことに対しよく使われるのが「万引き」ですね。

そもそも「万引き」とは窃盗の一部の犯罪。窃盗とは「他人の財物を窃取したものは窃盗の罪」と刑法で定められているように、盗み全般のことを「窃盗」と呼びます。人の家などに忍び込みものを盗む泥棒、空き巣、ほかにもひったくりや置き引きなどが該当します。また万引きも立派な「窃盗」になり窃盗罪に問われます。

つまり、万引きは窃盗の一部であって、他人のものを盗る行為のうち、「商業施設において買い物客を装って代金を支払わずに無断で商品を持ち去る窃盗行為」のことを指します。

「万引き」の定義、どこからが万引き?


万引きをする大抵の人がほんの一時的な出来心で行為に走ってしまいます。スーパーやコンビニなど、価格としては比較的安いものをさっとカバンやポケットに入れる行為が誰でもやってしまいがちな行為だからこそ、日々万引きはお店を悩ませる問題でもあります。

また万引きには法律で定められている具体的な定義はありません。先程お伝えしたような、「店頭に並べられている商品を盗むこと」を指します。この万引きにおける窃盗罪が成立する要件があります。この要件のことを「構成要件」と言います。

<万引きにおける構成要件>
①被害品が他人の財物であること。
②窃取すること。
③故意があること。
④不法領得の意志(他人の所有物を権利者を排除して自分の所有物として利用・処分すること)があること。

この要件を満たすことが「万引き(窃盗)」として扱われます。商業施設において、レジなど会計をし、代金を支払っていない場合の所有権利は店側にあるため支払いなしに店外から持ち出すことは窃盗にあたります。

ただ難しいのが、お店が連なっている大型の商業施設。例えばイオンモールなど。とある専門店から一歩店外へ出たとしても客側からすれば「ほかにまとまったレジがあるかと思った。」などの言い訳をされれば客をうたがった店舗が白い目で見られますよね。このパターン、日本人ではなかなかありませんが、日本での買い物に慣れていない海外の観光客に多いのです。

私も実際に商業施設でアパレル店員として働いている時に、台湾からの観光のお客様が他の店と共通のショッピングカートに商品を入れそのまま店舗を出られたことがあります。いそいで追いかけて説明をしたところ「共通のレジがあると思ってた。」と言われことなきを得ましたが、これがもし故意的に行なっている人がいるのかもと思うと怖いなあと思います。大きな商業施設の場合、その商業施設から一歩外に出た時点で「万引き」が成立するため、普通の店舗よりも万引きされた場合に特定がしづらくなります。ましてや混雑している時に試着室内などで持ち出された場合はかなり特定が難しいのが難点ですね。

まとめ

  • 「万引き」の由来はものを間引いていくことからなまった言葉。
  • 「間」には「運」の意味も含まれているため、「ま+うん」で「万引き」となった説もある。
  • 「万引き」は窃盗の一つで窃盗罪に問われる行為。
  • 「万引き」の意味は「お店において買い物客を装って商品を窃盗すること」。
  • 明確な定義はないが「構成要件」の4点に当てはまると「万引き」の対象となる。

一度万引きを行なった人の中には、こそっと盗むことにおけるどきどきなどのスリル感をもとめて行為がやめられなくなる人もいるようです。小学生などの小さな子でも消しゴムやお菓子一つ盗ったただけでも「万引き」となるので、手が出しやすいからこそなくならない犯罪と言えるでしょう。

対策としてはお店の死角を作らない、常にスタッフが巡回するなどがありますが十分な対策ができていないことが多いようです。一つでも犯罪がなくなることを祈ります。

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