砂糖にはさまざまな種類がありますがてんさい糖というものを見かけたことはありませんか?
砂糖ってサトウキビだけじゃないの?砂糖によって安全性や危険性は変わるの?などの疑問があるかもしれませんね。
てんさい糖ってどんな砂糖?身体に良い・悪いってあるの?危険性や安全性についてお答えします。
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てんさい糖とは? 上白糖との違いは?
砂糖といえば上白糖を筆頭に、グラニュー糖、三温糖、黒砂糖、キビ砂糖、ザラメ、角砂糖、氷砂糖、粉砂糖…とさまざまな種類があります。
てんさい糖は北海道などの寒冷地で栽培される甜菜からつくられる砂糖のことです。
甜菜はサトウダイコンと呼ばれるヒユ科アカザ亜科フダンソウ属の植物です。
ほうれん草やキヌアの仲間です。
ダイコンと名前にはついていますが、大根はアブラナ科なので別物です。
甜菜は大根とは異なり、灰汁が強いので家庭で食べることはないかと思います。
甜菜は葉の中で糖分とでんぷんをつくり、葉脈を通って根に糖分を蓄えます。
根を絞ると汁が出て、その汁を煮詰めることで砂糖がとれます。
その蜜分はてんさい糖になりますが、結晶は上白糖やビートグラニュー糖になります。
砂糖を絞ったあとの甜菜は家畜の飼料に活用されます。
てんさい糖には身体を温める、腸内環境の改善、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。
血糖値に関しては上白糖のGI値(食後の血糖値上昇を数値化したもの)が109に対し、てんさい糖のGI値は65程度。
一般的に白色の砂糖は原料から不純物などを取り除いているためミネラル類も不足しており、99%が炭水化物にあたるそうです。
一方、てんさい糖やきび砂糖、黒砂糖などの茶色の砂糖は高温で乾燥させているため、カリウムやカルシウム、リンなどのミネラル類が残っているそうです。
そのため、砂糖の摂取はNGなマクロビオティック(自然食を中心とし、健康を目指す食事法)でもてんさい糖なら食べてもいいといわれています。
他の砂糖と異なり、オリゴ糖が含まれているので腸内にも優しいのがてんさい糖です。
てんさい糖はなぜ危険といわれるのか
てんさい糖の効果を知ると「他の砂糖よりも健康的!」と思いますが、てんさい糖は危険ともいわれています。
もとより上白糖は肥満の原因であり糖尿病や生活習慣を引き起こす恐れがある、精神的にキレやすくなる、老ける、依存性が高いなど「弊害がある」と一部ではいわれています。
上白糖は精製度が高いですが、てんさい糖や黒砂糖、きび砂糖は精製度が低いです。
そういった精製度の低い砂糖は健康食品としても使われていることが少なくありません。
前述しましたが、てんさい糖などにはミネラル類も豊富で効果もさまざまあります。
そんなてんさい糖がなぜ危険といわれているのか調べてみました。
カロリーとしては100gあたり上白糖は384キロカロリー、きび砂糖は396キロカロリー、てんさい糖は390キロカロリーです。
自然派で身体に優しいといわれているてんさい糖が、上白糖よりもカロリーがあるのは意外ですね。
カロリーが高いということは上白糖と同じように使っていると肥満や糖尿病、生活習慣病になるリスクは確かに高まりますね。
その他には甜菜の栽培は農薬が使われていることが多いことと遺伝子組み換えをしてる場合があるということも挙げられるかと思います。
「自然派の身体に優しい砂糖」「上白糖よりも健康的」といわれていたからこそ、この三点は問題視されてしまっているのかもしれませんね。
てんさい糖の安全性について 遺伝子組み換えのリスクは?
てんさい糖の遺伝子組み換えという部分に関しては国産なら安全です。
日本では甜菜を商用に育てる際に遺伝子組み換えを禁止しています。
甜菜は虫に弱い植物なため、遺伝子操作によって虫に強い甜菜をつくったというのが遺伝子組み換えの理由だそうです。
国産の甜菜を使っている場合は遺伝子組み換えの心配はありませんが、日本では遺伝子組み換えの表示義務はありません。
そのため、外国産の甜菜を使っている場合は、知らずに遺伝子組み換え甜菜を摂ってしまうこともあります。
前述しましたが甜菜は虫に弱い植物であり、甘いにおいにつられて虫がすぐに寄ってきてしまいます。
そのため農薬を使って育てていることが多いです。
しかし農薬を使っていない安い野菜などはほとんどないかと思います。
多くの野菜で無農薬を謳って普通のものより高く販売されているものもありますが、てんさい糖にもオーガニックのものもあります。
農薬を使っているからてんさい糖は害があると思わずに、オーガニックのものを選ぶなどいいところを取り入れるのが理想的ですね。
まとめ
・てんさい糖には身体を温める、腸内環境の改善、血糖値の上昇を緩やかにする働きがある。
・てんさい糖は390キロカロリーで上白糖よりもカロリーが高い。
・日本では原料である甜菜の遺伝子組み換えは禁止されている。
実際にてんさい糖をつくっていない消費者としては、不明慮な情報も多いので過剰に心配してしまうこともありますね。
しかし、オーガニックのものを選べば農薬の危険はありませんし、量を少なめにすればカロリーも抑えられててんさい糖ならではの風味を健康的に味わうこともできます。
消費者は自分でどういった条件が譲れる・譲れないかを明確にして、どの商品がいいか選んで買うのが理想的ですね。