手軽で美味しい中華料理、皆さんお好きですか?

スーパーに行けば、お手軽に調理できるレトルトの中華料理の素が手に入りますよね。

私はよく麻婆豆腐の素を購入するのですが、最近売り場で見つけてびっくりしたものがあります。

それは何と、「ふかひれスープの素」!

高級食材であるはずの「ふかひれ」のスープの素が、レトルトとはいえ、何と128円で売られているではありませんか。

驚いて思わず手にとって見ると、パッケージには「本物のふかひれ」という煽り文句。

そこで疑問が

「ふかひれって、本物と偽物があるの?

「こんなに安いのに、本当に本物のふかひれを使ってるの?

ただ考えているだけでは、謎は深まるばかりです。

その真相について色々と調べて見ました。

1 そもそもフカヒレってどんな食べ物?


「ふかひれ」といえば、ツバメの巣に並ぶ、言わずと知れた中華料理の高級食材。

フカ(サメ)の尾ビレや背ビレを乾燥させたもので、主に姿煮やスープなどに調理されます。

私は残念ながらちゃんとしたふかひれ料理を食べたことがないのですが、ふかひれ自体に味はほとんどなく、弾力のある食感としみ込んだスープを楽しむものなんだそうです。

単純に「ふかひれ」といっても、サメの種類や形などで細かく違いがありました。

具体的なサメの種類として、大型のジンベエザメやウバザメが一番高級と言われ、体長23メートル程度のヨシキリザメやモウカザメが日本でも水揚げが多く一般的だそうです。

また、ヒレの部位、形状でも値段が変わります。

一番大きく肉厚な尾ビレから、背ビレ、腹ビレと小さくなり、厚みがあって形の大きいものほど高価になります。

さらに、扇子のような形状をしっかり残したものを排翅(パイツー)、ヒレの繊維が春雨のようにほぐれたものを散翅(サンツー)と呼ぶそうです。

排翅が姿煮、散翅がスープなどの料理向きで、形がしっかりしたものほど値が張ります。

私が調べた日本のふかひれメーカーでは、ヨシキリザメの尾ビレ(姿)が1kgあたり19500円で、ほぐし身が1kg9700円で売られていました。

業務用でもこのお値段、確かにお安すぎるレトルトのふかひれは本物なのか、怪しんでしまいます。

2 ふかひれスープの表記を見ると


結局私が購入した「ふかひれスープ」ですが、原材料名の中にはきちんと「ふかひれ」の文字があります。

ただし、順番的には他の具材(たけのこ、しょうが、しいたけ)や調味料より少しあとです。

原材料名は使用した量が多い順で基本的に記載されていますので、決してたくさん入っているというわけではないのでしょう。

そして、枠の下には「原材料配合割合(仕込時)ふかひれ1,7%」と記載されていました。

この「原材料配合割合」とは、東京都が特定の加工食品に義務付けている品質表示ということなので、私が買ったふかひれスープに本物のふかひれが入っていることは、量はともかく確かなようです。

実際作って見ると、入っていたのは比較的リーズナブルな方のほぐし身、散翅(サンツー)と思われるものだったので、お値段も一応納得です。

3 本物そっくり?「人工ふかひれ」の正体


そもそも「偽物のふかひれ」とはどんな存在なのでしょうか。

調べて見ると、「偽装ふかひれ」「人工ふかひれ」というワードが上がってきました。

2014年のニュースで、中国浙江省で「人工ふかひれ」を本物と偽装して販売する業者が横行し、調査して見ると96パーセントものふかひれが偽物だったという驚愕の事実が明らかになったそうです。

日本でも数年前、大手ホテルのレストランで人工ふかひれを本物と偽装していたことが判明し、大きな話題となりました。

この「人工ふかひれ」とは、ゼラチンや春雨、湯葉を成形しふかひれ風にしたもので、食感も本物のふかひれと良く似ているそうです。

人工ふかひれ自体は決して悪いものではなく、サメの乱獲の予防や、コストダウンのために活用されているそうです。

しかし、本物と見分けが付きにくく、原価を10分の1以下に抑えられるということで、それを「本物」として販売する悪質な業者やお店も少なからずいるようです。

4 このフカヒレは本物?偽物?どうやって判断?


安くて嬉しいレトルトふかひれスープですが、本物のフカヒレが入っているかどうかどうやって判別したらいいのでしょうか。

まずはパッケージの表記や原材料名を確認することです。

「ふかひれ風」「リアルな食感」など、ふかひれをミスリードするような表現ではないでしょうか。

また原材料名にちゃんと「ふかひれ」と表記されているか、春雨やゼラチンだけじゃないことなどを確認してみましょう。

また、できれば産地の確認も。

中国産は9割以上が偽物だったという過去がありますから、あまりに安い場合や、形状が高いはずの姿などの場合は疑った方が良さそうです。

日本産は宮城県気仙沼港が水揚げ量日本一なんだとか。

産地やメーカーをよく確認して、信用できるかどうか判断するのが良さそうですね。

ふかひれ自体の味はないということなので、相当グルメで本物のふかひれを食べ慣れた人でもないと、食べて判別するのは難しいかもしれません。

食感で判断するのはかなりレベルが高いですが、本物のふかひれは弾力があり、人工は煮込むと弾力が減るそうです。

また、ほぐしたふかひれは春雨と良く似ているので、偽装ではないのですが、春雨がたくさん入ったふかひれスープは判別しにくいですね。

まとめ

・ふかひれはサメのヒレで、部位や形状で値段が変わる。

・レトルトスープは原材料名の表記に「ふかひれ」の文字。

・ゼラチンや春雨でできた「人工ふかひれ」を、本物と偽装するケースも。

・表記や産地をよく確認して判断を。

国内の大手食品メーカーから地方のこだわりのお店まで、色々なレトルトのふかひれスープがネットやスーパーで入手できます。しっかり確認して、食べ比べをして見るのも楽しいかもしれませんね。

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