司祭、神父、牧師はほとんど同じものだと思うけど明確な違いはあるの?と疑問に思う方は少なくないかと思います。

仕事内容や役割が違うのか?信仰している宗教が違うのか?役職の違い?など気になりますね。

具体的にどういった違いがあり、正しい使い分けはどういった点にあるのかご紹介します。

司祭と神父とは

司祭とはキリスト教の教派であるカトリック教会、東方諸教会、正教会、聖公会の聖職者のことを指します。

 

大きく分けて、司教の下位の役職です。

聖職者の序列としては大主教を筆頭に長司祭、司祭、補祭と続きます。

司祭は役職名であり、呼称として神父や先生と呼ばれています。

 

司祭はミサや洗礼、説教などを執り行い、教会の儀式や典礼を司っています。

男性のみが司祭になることを許されています。

 

一般的には婚姻は認められておらず、生涯独身を貫きます。

一部の教派では婚姻は許されていますが、離婚は許されていません。

婚姻をするタイミングは補祭になる以前にしなければなりません。

 

また、司祭になるためには神学校での数年間にわたる養成が必須になります。

給料は教会が所属する教区から支払われるものなので信者数などに左右されない場合が多いです。

牧師とは

牧師はキリスト教の教派であるプロテスタントの教職者のことを指します。

イエス=キリストが新約聖書の中で自らを羊飼い(牧者)とたとえたところから「牧師」という職名が誕生しました。

 

牧師は教会の管理を行い、信仰の指導や説教、布教を行います。

司祭、神父と同じく礼拝や礼典を司ります。

婚姻は推奨されており、教派によっては女性の牧師も存在します。

 

牧師は信徒の中から立てられた伝道師という立場であり、教会の管理などを任されている以外は一般の信徒と差異がありません。

そういったことから司祭のようなローマ教皇をトップとした序列社会ではなく、牧師の立場は一般の信徒と同列であります。

 

牧師になるためには神学校卒業が必要なところがあったり、卒業後に所属する教団での試験に合格しなければならなかったりさまざまな形があります。

給料は所属する教会から支払われるので、信者数や献金が少ない場合などさまざまな要因で上下します。

司祭、神父、牧師の正しい意味と使い分け

司祭、神父、牧師はキリスト教ではありますが教派が異なるところがポイントです。

司祭、神父は信徒より立場が高く、牧師は信徒と同じ立場にいます。

カトリックのようなはっきりとした上下関係、序列社会を否定しているプロテスタントにおいて牧師であっても一般信徒と変わりないとされています。

 

厳密に捉えると、司祭、神父は聖職者であり、牧師は教職者と呼ばれます。

しかし教会の中の信仰心や役割において牧師が司祭、神父などより下に見られているというわけではありません。

 

上記にも述べたように司祭、神父は信徒より高い立場におり、聖職に関する仕事を専門的に行う聖職に就いています。

しかし牧師は一般信と同列の立場から教会の管理や宗教の伝道を任されているため聖職に就いているとは異なり、区別されます。

そのため聖職者と教職者は意味が異なり、司祭、神父と牧師には宗教内では立場的に差異があります。

 

日本では一般的に牧師も聖職者であるという意識が高いですが、プロテスタントにおいては司祭、牧師とは区別されているのが重要なポイントです。

日本における司祭、神父、牧師

 

日本は宗教の自由が認められているため、宗教に属している人は実は多く、日本の総人口と同等といわれています。

しかし信仰心があるのはそのうち2~3割といわれています。

 

そして日本でキリスト教を信仰している人は1~2%ほどなので、あまり司祭、神父、牧師が浸透しているとはいえないようです。

しかし日本でも神学校や一般大学の神学部は複数存在するので司祭、牧師になることは可能です。

 

日本で司祭、牧師と接するといえば結婚式を思い浮かべる人が多いかと思います。

チャペルでは牧師が活躍していますが、多くの場合は実際はアルバイトの牧師が司式をしているようです。

その理由は祝日や休日に結婚式を挙げる人が多いため、牧師の礼拝やその準備の日と被ってしまい依頼しても断られてしまうことが多いようです。

 

また、司祭は本物であってもプロテスタントとの婚姻に対する意識の違いから、チャペルで行う結婚式に協力することはまずありません。

教会や聖堂での結婚式の司式については受け入れる場合がありますが、結婚準備講座の受講が義務つけられていたり、死別以外の理由での再婚は受け入れなかったりと宗教上の特色が強いです。

 

そのため、日本で司祭、牧師などの聖職者としての仕事は多くはないので、教育施設の運営などをすることで利益を得ている場合が多いです

まとめ

・司祭、神父はカトリックで牧師はプロテスタント

・神父は司祭の呼称。

・牧師は伝道師なので聖職者ではなく教職者にあたる。

・プロテスタントにおいては聖職者と教職者は強く区別されている。

・日本では教育施設の運営に力を入れている。

 

司祭、牧師は教派によって変わってきます。

司祭と牧師の明確な差はあり、一般的にあまり区別されていない場合がありますが厳密には立場が異なっています。

司祭の場合は聖職としての義務があるため婚姻が認められなかったり、結婚式においても司式を行えない場合があります。

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