20代くらいだと結婚をしていてもなかなか定年後の生活というのは考えることが少ないのではないかと思います。
定年を迎えるまでに結婚、出産、子育て、子どもの学費、住宅購入など大金がかかるイベントが盛りだくさん。
そういったイベントが落ち着いたあたりから定年後の生活や出費予算などに目を向ける人が多いのではないでしょうか。
しかし出費予算を立てるには「もらえるお金はどのくらい?」「生活費はどのくらい?」「趣味にどれだけ費用を充てられる?」といった具体的な出費について知る必要がありますね。
今回の記事ではそのあたりに触れていきます。
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定年後の収入はいくらになるのか
定年後の主な収入源は受け取れる公的年金になります。
厚生年金の場合、月額14.8万円。
国民年金の場合、月額5.5万円。
また、厚生年金は現役時代の報酬額、国民年金は納付期間によって受給額が変わっていきます。
50歳以上であれば年金事務所で管理されている個人記録で、年金の見込み額を算出してもらうことができます。
50歳未満の方でも日本年金機構「ねんきんネット」で自身で年金の見込み額を試算することができます。
定年は60歳ですが、公的年金が受け取れるのが65歳からなのでその期間は働くのか否かで老後の資金をどの程度貯蓄しておくべきかが変化しますね。
退職金を60~65歳までの間の生活費などに利用する人は多いのではないでしょうか。
退職金は民間企業の場合、「退職時の1ヶ月分の基本給×就業年数×給付率」になります。
そのため出世して基本給が高く、勤続年数が長い人ほどもらえる退職金の給付額は大きくなります。
民間企業に退職金の平均額は大卒の男性で1941万円だそうです。
日本は長寿国となり、比較的健康寿命も長いです。
現在では男性の平均寿命80.98歳、健康寿命72.14歳。
女性の平均寿命87.14歳、健康寿命74.79歳。
そのため定年後、10年以上趣味やスポーツを楽しむことができます。
昔の人に比べ、定年後の費用はできるだけ多く残しておくと安心ですね。
定年後の出費はどのくらい?
会社に勤めているときは賃貸費用または住宅ローン、食費、水道光熱費、被服費、保険医療費、交通費、教育費、交際費、家具・家電用品、車両費、雑貨費用…などさまざまなものに大変お金がかかります。
定年後に出費が減る部分というと、住宅を買っている人であれば多くの場合住宅ローンが終わるかと思います。
子どもたちも成人になっていれば食費も少なくなり、教育費もなくなるかと思います。
64歳未満は健康保険または国民健康保険に加入しているので医療費は3割負担ですが、65歳以上は1割負担になります。
夫婦2人暮らしの生活費の平均を24万円と仮定します。
定年して85歳までの25年間の生活費として24万円×12ヶ月×25年間で7200万円ほど必要です。
正規雇用の夫と非正規雇用の妻の2人の生活と考えると、厚生年金と国民年金で月20万円ほど受け取れ、退職金が約2000万円。
5年間は公的年金が受け取れないので少なくとも約1440万円は公的年金以外で賄わなければなりません。
また上記のなかでも定年後に大きな負担となるのが車両費。
車のローン、ガソリン、駐車場代、車検代、保険代…。
車のローンがないと仮定すると軽自動車で年間約36万円、普通車で約47万円かかるといわれています。
定年を機に車を辞めるという人も多いですが、生活のためどうしても車は持っていなければならない人も多いです。
そういった場合は定年前に低燃費の軽自動車に乗り換えると経費削減になりますね。
定年後の趣味費用にかかる金額は?
定年後、パソコンやインターネット、ネットショッピング、ブログなどを楽しむ方が増えてきています。
市や民間でパソコン講座を開催していることも増えましたね。
パソコンがあれば買い物だけでなく、写真などのデータ管理、将棋やカードゲームなどのさまざまなゲーム、人と接触を図れるブログやSNSなど使い方が多種多様。
キーボードが苦手でもタブレットでも同様の使い方ができます。
費用としてはパソコンやタブレットの本体代、毎月の通信費などが必要です。
パソコンやタブレットは中古でなら1~2万円で購入することも可能で、新品であれば10万円を超えることもあります。
我が家はパソコンとスマートフォンを使うために有線ケーブルとWi-Fiを使用していますが、通信費は6000円程度です。
仕事をしているとなかなか長期休みができなかったり、疲れてしまって足が重くなりますが、定年をきっかけに国内外の旅行を楽しめますね。
ただし国内外問わず、何泊かの旅行をするとなるとそれなりの費用が必要になっていきます。
日帰りのバスツアーであれば5000~1.5万円程度とリーズナブルなものもあります。
沖縄の1泊ツアー旅行だと羽田空港から出発して3万円台のものも結構ありました。
個人で宿や飛行機をとるよりも、ツアーで旅行をした方が費用が抑えられるようですね。
武道やウォーキングなどのスポーツを楽しむ方も多いそうです。
ジムや講習にもシニア割引きがある場所も多いので確認してみましょう。
まとめ
・65歳から受け取れる公的年金は厚生年金の場合は月額14.8万円、国民年金の場合は月額5.5万円。
・定年して85歳までの25年間の生活費として24万円×12ヶ月×25年間で7200万円ほど必要。
・5年間は公的年金が受け取れないので少なくとも約1440万円は公的年金以外で賄わなければならない。
定年になると身体的・精神的に束縛から解放されて、今まで楽しめなかったことに挑戦するチャンスですね。
公的年金を受け取るまでどういった生活をするのか考えるのは老後資金を考える上で重要な部分です。
趣味といっても初期投資をすれば月々の支払いが少なく済むものもさまざまあるのでぜひ調べてみてください。