皆さんは、「妖精」と聞くとどんなイメージを浮かべますか?
私は幼い頃から、金髪碧眼の美少女に半透明の羽が生えた姿を想像していました。細かい違いはあれど、このような姿を思い浮かべている方は多いと思います。
ところがこれって、詩や戯曲の中の妖精のイメージなんですよね。他の伝承だとおじさんのような見た目だったりするようです。
そこで今回は、多くの伝承が残っている妖精の中でも代表格の、「ピクシー」についてお伝えしたいと思います。
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そもそも妖精とは?
日本では特にその噂がないように、妖精とは西洋の伝承です。自然界の精霊と言われています。
起源ははっきりとわかっていません。時代や国によって伝承がかなり異なるからです。
ピクシーに限った話でも、イギシスのサマーセット地方では赤い髪の中年男、デヴォン地方では服を着ていない、コーンウォール地方では緑のボロ服の老人など、本当に様々なのです。
なんだかこれだけを聞くとあまり可愛くない印象を受けますね。全裸ってどうなのでしょう。
共通しているのは「いたずら好き」ということ。シェークスピアの『夏の夜の夢』には、パックという妖精が出てくるのですが、パックも様々ないたずらで登場人物たちを振り回します。
妖精を英訳するとFairyですが、これの語源は、fai(フランス語)とfatae(イタリア語)が元になっていると言われています。
ピクシーはお役立ち妖精
シンデレラが舞踏会に行く手伝いをしてくれたように、妖精には人間をお手伝いしてくれるという一面があります。
ピクシーはその中でも、家事などをお手伝いしてくれます。これは我が家に是非とも1匹欲しいです。1家に1匹ピクシー。
家事をしてもらうには、ボウル1杯のクリームなどを渡す必要があります。なんと安い賃金でしょうか。それで良いのかピクシー。
お礼の品を間違えちゃだめ!
先ほどボウル1杯のクリームと述べましたが、これもまた地方によって異なります。りんごやチーズパンなどです。
ではこれらの共通点は何か。
それは、「食べ物」だということです。
逆に絶対にあげてはいけないものが「洋服」です。
コーンウォール地方ではピクシーのイメージが緑のボロ服を着た老人だとお伝えしました。これはその地方の伝承なのですが、ピクシーに家事を手伝ってもらっている家がありました。あるとき、ピクシーの姿を見た彼らは、ピクシーの洋服がボロボロなことを知ります。同情したため、新しい服を作ってピクシーにプレゼントをしました。
するとピクシーはもう姿を見せなくなってしまったそうです。
洋服にこだわりがあるのか(全裸という伝承もあるのに?)、そこに干渉されたくなかったのか、理由までは分かっていません。とにかく洋服では彼らの心を掴むことができないそうです。
妖精が好む人間は?
これはピクシーだけではありませんが、妖精は真面目で誠意がある人間を好む傾向があります。
家事をお手伝いする場合にも、頑張っているのに恵まれない百姓のもとに現れた、というケースが多いそうです。
なんだか優しくてほっこりですね。
怠惰で不真面目な人間は好まないだけでなく、時には道に迷わせるなど、困らせることもあります。「ピクシーの惑わし」と言われています。
ピクシーが群れとなって踊っているところに遭遇してしまうと、長いこと一緒に無理やり踊らされる、なんていう話もあります。
私は真面目ではないので、どうやらピクシーに惑わされてしまう人間のようです…。
まとめ
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妖精は自然界の精霊のことだが、起源はよくわかっていない。時代や土地によって特徴は異なるが、共通点は「いたずら好き」ということ。
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ピクシーは食べ物と引き換えに家事をお手伝いしてくれる妖精。
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ピクシーに新しい洋服をプレゼントすると、もう現れなくなってしまうため、お礼の品は必ず食べ物にすること。
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ピクシー含む妖精は真面目な人間を好み、逆に怠惰な人間には危害を加えることもある。
このように、ピクシーを含め、妖精たちを一括りにすることはできません。特徴や種類が多くあるためです。
また、イギリスではほとんどフェアリーとは呼ばれていません。彼らは愛称で呼ばれることを好むため、地域限定の呼称があったりもしました。
いたずらもするけれど、気に入った人間には気まぐれにお手伝いをする。そんな気分屋なところがピクシーの魅力だと私は思います。