世の中では日本人の働き方を見直す方針になってきていますね。
欧米先進国を中心に導入されている「サバディカル休暇」とはご存知でしょうか?
国内企業でも少しずつサバディカル休暇を取り入れつつあるそうです。
そんな日本ではまだ馴染みの薄い「サバディカル休暇」とはいったいどんな制度なのでしょうか?
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サバディカル休暇とは?
サバディカル休暇は一定期間の長期間勤務をした労働者に対して与えられる、1ヶ月から1年程度の休暇のことを指します。
有給とは違い使途に制限がない休暇で、その期間は無給になります。(企業によっては最低賃金を保証している場合もあります)
休暇取得後でも取得前と同じ仕事に就けることがこの休暇の特徴ですね。
サバディカルは旧約聖書で神が6日間働いて世界を創造したのち、7日目を安息日(サバディカス)としたら無事故だったという話にならってサバディカル休暇と名付けられました。
制度自体もこの話から発展してつくられているようですね。
サバディカル休暇のメリット・目的としては「介護・育児・病気での離職を防ぐ」「身体的・精神的にゆっくりとリフレッシュ」「労働意欲の回復・向上」「自己啓発・創造的な休養」などが挙げられます。
長時間労働することで業務効率が落ちますが、サバディカル休暇によってリフレッシュすることができます。
例え社員に長期間休暇を取得されたとしても結果的に会社への貢献、作業効率、忠誠度が上がることが期待されます。
日本では特に介護・育児・病気での離職問題改善が課題となっています。
介護・育児については1年ほど完全に休めれば状況は変わっていくので問題改善に大きな影響を与えるかと思います。
病気に関しても「治療に数ヶ月を要するけど休んだらクビに…」という不安が解消されて、治療に専念できますね。
外国でのサバディカル休暇
スウェーデンではサバディカル休暇を失業者対策として国が導入しています。
労働者は手当の支給を受けながら、最長1年間のサバディカル休暇を取得することが可能です。
労働者がサバディカル休暇を取得している間は、代替要員として失業者を雇用することと定められています。
フィンランドでのサバディカル休暇は、ジョブローテーション制度(人材育成計画に基づいて定期的に職場の異動や職務の変更を行う制度)の一環として導入されています。
フルタイムで勤務している労働者は90~359日の範囲で休暇を取得することが可能で、休暇中は手当が支給されます。
フランスのサバディカル休暇は勤務年数3年以上であり、通算の勤務年数が6年以上で、過去6年間に同制度を利用していないことを条件に6~11ヶ月の休暇を取得できます。
上記2ヵ国とは異なり、休暇中は無給になります。
日本でのサバディカル休暇
日本では「サバディカル休暇(ヤフージャパン)」「ディスカバリー休暇(MSD)」「STEP休暇(リクルート)」「積立休暇(富士ゼロックス)」「ボランティア特別長期休暇(リコー)」などの名称でサバディカル休暇が導入されています。
2013年よりサバディカル休暇の制度を導入したヤフージャパンでは、10年以上勤続した社員は最長3ヶ月の休暇を取得することができます。
休暇支援金も出て、なおかつ有給との併用も可能にしているようです。
日本の場合、企業の裁量で有給・無給が変わっていき、使途に制限をかけることもできます。
しかし現代の日本は有給ですら満足に取得できていないのが現状です。
サバディカル休暇取得によって解雇にならない、同じ仕事を続けることが可能といっても長期休暇からの仕事復帰は簡単ではないですね。
サバディカル休暇が一般的ではないからこそ、バックアップ体制などの仕組みから構築していく必要があります。
日本は「ワーカホリック(仕事中毒)の国」としてのイメージが外国から強く印象があるようです。
過労死または過労自殺が後を絶たないのも現実で、先ずは会社の業務環境の改善からはじめなければサバディカル休暇のような長期休暇を労働者に取らせるのは現実問題厳しいように思えます。
欧米では業務環境が整っているからこそ、サバディカル休暇を取り入れることが可能だったのではないかと考えます。
まとめ
・サバディカル休暇は一定期間の長期間勤務をした労働者に対して与えられる、1ヶ月から1年程度の休暇のことを指す。
・目的は「介護・育児・病気での離職を防ぐ」「身体的・精神的にゆっくりとリフレッシュ」「労働意欲の回復・向上」「自己啓発・創造的な休養」
・日本ではヤフージャパン、MSD、リクルート、富士ゼロックス、リコーなどの企業がサバディカル休暇を取り入れている。
サバディカル休暇は労働意欲の向上、効率化のためにも非常にいい制度かと思います。
しかし日本の現状では有給取得、男性の育児休暇取得を満足に行えないことも多いため、それ以上に周囲が混乱する長期休暇の制度を取り入れていくのはなかなか難しいのではないかとの懸念が残りますね。