日本にはまだまだ多くの単語があります。「読み方はわかるけど意味ってなんだっけ?」と思うものって多いのではないでしょうか。
また日常生活の中で「あーこれなんだっけ、これなんていうんだっっけ。なんか丸いやつ!」とか名前が思い出せなくてぼんやりした言葉で相手に伝える事って多いと思いませんか?
知らないわけじゃないけど正しい単語がわからないんだよね、なんていうもの。私は結構あります。
今回解説するのは日頃運転とか散歩とか、道を走ったり歩いていたりするときに「そこの溝気をつけて!」なんて会話をする際に出てくる「溝」の単語です。
では早速解説していきましょう!
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「道路の溝」の正しい単語
まずはこの「道路の溝」は正しくは「側溝(そっこう)」と言います。道路や鉄道に沿って儲ける排水溝のことを指します。雨水を道路から除外する役割を持ち、借りに側溝がない道路だとかなり水がたまり事故の元になるため、実はとても重要な役割を果たしているのです。
断面はL字型を基準とし、歩車道の区別のないところではU型が設けられています。この側溝に雨水を誘導するために、路面には横断方向に勾配をつけています。また側溝にも勾配をつけ、30メートルごとに雨水升にあつめ、管をつけて、雨水渠、合流下水管に連絡して排出しています。なお、下水道が未整備の市街地で、雨水を駆除する敷地境界の溝も側溝とよばれます。
近年では、この側溝にフタ付きのものがほとんどになっています。整備ができていない田舎や住宅地のほんの一部では、この側溝に蓋が付いていないものもあり、車の運転や自転車などは特に注意が必要になっています。
蓋が付いていると、車道と歩行者を分離させる役割や、人や物が落下する心配がありません。たまに側溝に鍵、お金、アクセサリーなどうっかり落とす方が多いかと思いますが、雨の日だと流れて行っちゃうので側溝の近くで何かを取り出したりする作業には注意が必要ですね。
「側溝」の使い方
「側溝」の意味は「道路に溜まった水などを排水する溝」でしたね。いずれ下水道と一緒になることもあるのですが、家庭から排出された下水が通るのは「側溝」ではなくどこなのでしょう?
もともと下水道の目的は以下でした。
- 雨水を道路外へ流すことで、水害を防止する。
- し尿を衛生的に集め、病原体を消毒することで衛生を保つ。
- 汚水中の有機物を酸化分解し、公共用水域の水質汚染を防止する。
かつてはこの役割を担うため、生活雑排水と雨水を全部一本の下水道に通して最下流の下水処理場で浄化処理して河川に放流していました。ただ大雨が降ったときには下水管に大量の水が流れ込み、処理能力を超えてしまうことがあったため、浄化処理しないまま河川に放流しなければならないという欠点がありました。
1本の放出経路でパンクしないためにも雨水に関して「側溝」を設けることで、徐々に河川に流す方法や各家庭の敷地内に浸透枡を設置し、地下に雨水を浸透させることで河川への放出量を調整するようになりました。
したがって「側溝」は下水道など生活排水を流すものではなく、あくまで道路や歩道などの雨水を下水道や河川に分散して流すための役割を担っているものを指します。
似た役割をする「竪樋」とは?
「側溝」と似た役割を持つものに「竪樋(たてどい)」ということがあります。漢字が読めないほど難しいものですが、役割としては「鉛直方向の樋。雨樋で集めた雨水を地上に流すもの」です。
「樋」とは「屋根から降雨を排水するための溝または管のこと」を指します。側溝と違うのは屋根に溜まった雨水を地上や下水管に流す役割を果たすものです。したがって「竪樋(縦樋)」は言葉の通り、軒先から地面まで垂直に設けられた樋のことを指します。家の作りによってはいけないベランダや屋根に大量の雨水が溜まることもあり、雨漏りなどの災害を発生させる危険もあるため、地面へ下水管へ放出する役割が必要なのです。
まとめ
- 「側溝」の読み方は「そっこう」。
- 側溝は「道路や鉄道に沿って儲ける排水溝のこと」で雨水を道路から除外する役割を持ち、借りに側溝がない道路だとかなり水がたまり事故の元になるため、実はとても重要な役割を果たしている。
- かつては下水管と一緒の経路で雨水も河川へ運ばれていたが、処理がパンクすることがあったため、側溝を設けて雨水を分散することでパンクを防いだ。
- 雨水を排出する役割で似ている「竪樋」は屋根の降水地上や地下に排出する役割を担っている。
今では殆どの道路に設けられている側溝ですが、今の形になるまで人の生活や安全性を考慮した進化があったようですね。
くれぐれもものを落とさないように気を付けましょう。