世の中には面白い物語がゴマンと溢れ、私たちは一生かかっても読むことのできない本に囲まれて生活をしています。

現代の作家さんたちが面白いのはもちろん、昔の時代にも読むべき物語はたくさんあります。例えば『源氏物語』と言えば、誰でもあらすじや登場人物は知っていますよね。文学だけではないですが、本当に価値のあるものは何千年何百年と時を超えて残ることを示していると私は思うのです。

今回は、名前は知っているけれど内容はさっぱりという人が多い、『宇治拾遺物語』の面白い説話を、ランキング形式で紹介していきます。

第5位 藤六の事

昔、藤六という歌詠みがいました。誰もいないのを見計らって、よその家のお鍋にあるものをこっそりと食べていると、家のおかみさんが水を汲んで帰ってきて、ばったりと遭遇してしまいました。

「何勝手にむしゃむしゃ食べてるの。あらよくみたら藤六さんじゃない。そんなら歌でも詠んでみなさい」と言われ、機転を利かせた藤六は「昔より阿弥陀(あみだ)は仏の誓ひにて 煮ゆるものをばすくふとぞ知る(昔から阿弥陀さまの誓いで、煮られているものはこうして救うことになってるんです)」という歌を詠みました。

第4位 鼻長き僧の事

昔、善珍内供という、修行もきっちりこなし、僧として文句なしの人物がいました。

ただとても鼻が長く、食事をするときに邪魔になるので、弟子に鼻を持ち上げさせていました。この持ち上げ方が下手だとヘソを曲げてしまい、ご飯も食べませんので、特定の弟子1人だけ毎回自分の鼻を持ち上げさせていました。

ある時その弟子が体調を崩し、他の者に鼻を持ち上げさせることになります。ところが手が滑って鼻を落とし、粥がそこら中に飛び散ってしまいました。

僧は「もっと偉い人だったらどうするんだ!失せろ!」と大層ご立腹になりますが、「そんな鼻持ってる人アンタくらいなもんよ」と弟子たちは物陰で馬鹿にして笑うのでした。

第3位 絵仏師良秀家の焼くるを見て悦ぶ事

昔、絵仏師の良秀という者がいました。ある日隣の家の火が移り、自分の家が火事になってしまいます。

なんとか逃げ出した良秀は、まだ家の中に妻や子供がいるのにも関わらず、炎を見て満足そうに時々笑っていました。

たまげた近所の人が理由を尋ねたところ、「この火事のおかげでこれからは炎が格段に上手く描ける。それができれば絵は売れるだろうから、こんな家なんて何軒も建てることができる。儲けものだ。」などと答えました。

そのあと、彼の絵は非常に賞賛されることになります。

第2位 博打婿入の事

昔、目や鼻が顔の中心に集まりすぎて、とんでもないブサイクのばくち打ちがいました。ある日とある富豪の娘が婿を探していると聞き、「天下一のイケメンが婿になろう」と結婚を申し込みます。富豪は喜んで結婚を決めることにしました。

結婚式の日は月が明るい夜でしたが、装束で上手いこと顔が見えないように工夫し、またばくち仲間がたくさん集まったため、「人望がある人だ」と、富豪や嫁の好感度はアップします。しかしそんな誤魔化しがいつまでも通用するはずがなく、ブサイクは一芝居打つことにします。

嫁と一緒にいるある晩、ばくち仲間が屋根裏に忍び込み鬼のフリをすることにしたのです。「顔か命かどちらか取ってやる」と低い声で呼びかけられ、ブサイクは「顔!」と答え、イケメンの顔を持っていかれブサイクになった演技をしました。

富豪はころっとだまされとても同情し、良い場所に家まで建ててくれ、ブサイクは嫁と幸せに暮らしましたとさ。

第1位 雀報恩の事

昔、とあるおばあさんが怪我をしている雀を保護しました。手当てをし餌を与えると雀は徐々に回復し、そのうちおばあさんの元を飛び去っていきました。

それからしばらくして、その雀が恩返しのようにひょうたんの種を持ってきました。不思議に思いつつも庭に埋めると、秋には立派な実をいくつもつけました。その中でも大きいものを家の中に飾っておくと、いつのまにかその中が米でいっぱいになっており、おばあさんはとても裕福になります。

この噂を聞きつけた隣の意地が悪いおばあさんは、自分も雀を保護して裕福になりたい!と、わざと雀に怪我をさせます。雀はおばあさんをとても恨み、回復した後にひょうたんの種を運んできました。

おばあさんは喜んで植えますが、このひょうたんは食べれば戻すほどまずく、家に吊るせば中には虫がウジャウジャとわき、とんでもない目にあったのでした。

まとめ

  • 「藤六の事」は、泥棒をされているのにも関わらず、なんだかおかみも大して怒っておらず、歌を詠めなどというトンチンカンなやりとりが面白い。
  • 「鼻長き僧の事」は、僧としてはとても立派なのに、なんだか妙なことで心が狭く、完璧な人間などいないのかと思わせるお話。
  • 「絵仏師良秀家の焼くるを見て悦ぶ事」の良秀は一見サイコパスなようだが、非凡な存在になるためには犠牲がつきものなのかと、考えさせられる。
  • 「博打婿入の事」は、機転を利かせたというにはあまりにもつたないお話だが、嘘をついているはずのブサイクが妙に恨めず、印象的である。
  • 「雀報恩の事」は、「人のことを妬むべからず」という教訓がわかりやすく、舌切り雀の元にもなっているお話。

このように、『宇治拾遺物語』は、ホラーからお笑いまで、バラエティに富んだ説話集になっていますので、現代の私たちが読んでも間違いなく面白いものです。

分かりやすい現代語訳の本も出てますので、ぜひ手にとってみてください!

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