ショートニングといえば自宅でクッキーをつくるときなどにも使っている人はいるのではないでしょうか?
スーパーなどで販売される菓子パンや食パン、スナック菓子、和菓子などさまざまなものにショートニングが使われている可能性があります。
しかしこのショートニングには健康を害する危険性があるとか…。
ショートニングの安全性や、ショートニングとして代用できるものはあるのかなどを調べてみましたのでご紹介します。
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ショートニングとは?
ショートニングは主に植物油を原料とした、クリーム状の食用人口油脂です。
ショートニングを使うとさっくりホロホロするため、クッキーなどの食感を楽しみたいお菓子には必須なのではないでしょうか。
安価で、焼き上がりの食感がよくなることから、市販されているさまざまなお菓子やパンなどの加工食品に多く使われています。
揚げ油としてショートニングを利用すると、衣がぱりっと仕上がります。
ショートニングは水素添加を行い、不和脂肪酸の二重結合部分を飽和させることでつくられます。
品質にばらつきがなくつくれるため、安価に大量生産が可能です。
ショートニングの危険性と安全性
ショートニングを入れた加工食品は6ヵ月放置しても腐らないといわれています。
化学的な人工物であるから健康を害するといわれているのでしょうか?
人工的につくった添加物などは危険性が示唆されているものもさまざまありますのでショートニングはどうなのでしょうか?
前述したように、ショートニングは液状の植物油を固形にするために、水素添加を行うことでつくられます。
その水素添加物の処理時にトランス脂肪酸が生成されます。
ショートニングには100gあたり13g程度のトランス脂肪酸が含まれるそうです。
トランス脂肪酸は動脈硬化や心臓病、アレルギー、がん、クローン病、大腸炎、認知症などになりやすいといったリスクが指摘されています。
国外ではショートニングの使用禁止または制限が設けられている国が多数あります。
分子構造がプラスティックと同じで、常温では溶けない性質があるため、欧米ではプラスティックオイルともいわれているそうです。
日本では2007年に表示義務の法律がつくられました。
WHO(世界保健機関)では生活習慣予防のために、トランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満にするように勧告しています。
推定エネルギー必要量が2000キロカロリーとしたら、トランス脂肪酸の1日あたりの摂取量は2g未満になるということですね。
推定エネルギー必要量2000キロカロリーというと30~49歳くらいの女性や50~69歳くらいの男性です。
しかし、日常的に運動をしていない10代から20代の男性及び女性でも、トランス脂肪酸の1日あたりの摂取量は3g未満になります。
ショートニングの代用品
「バター」「ココナッツオイル」「オリーブオイルなどの植物油脂」などがショートニングの代用品として使えます。
もともとショートニングはバターやラードの代用品としてつくられたものでした。
ショートニングは無味・無臭なため、バターのような風味がありませんが、サクサクとした食感が再現できるのでバター等の代わりとして多く使われます。
植物油脂というと「マーガリンでも代用できる?」と思われるかもしれませんが、マーガリンにもショートニングが入っていることが多いです。
マーガリンもアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、ぜんそくを引き起こす可能性があるといわれているのでショートニングを避けたい場合はマーガリンも避けた方がいいかと思います。
菓子類にはショートニングの代わりにバターがいいと思います。
バターの風味でシンプルなクッキーやマドレーヌなどでも濃厚な味わいが楽しめます。
クッキーにもよくココナッツオイルが使われますね。
独特な風味をしていながらも、バターよりさっぱりしていてココナッツオイルのほのかな甘みを感じられます。
パンなどにはオリーブオイルでも美味しいかと思います。
オリーブオイルも独特な味があるので、シンプルなパンに使うとさっぱりとしていながらも、総菜などに合う味わいになります。
菓子パンにはやはりバターかココナッツオイルが合うかと思います。
まとめ
・ショートニングは食用人口油脂。
・水素添加をしているためトランス脂肪酸が含まれてしまう。
・ショートニングの代用品には「バター」「ココナッツオイル」「オリーブオイル」がおすすめ。
自宅で食べる少量程度であればショートニングよりバターなどを使っても問題なく美味しく食べきることができます。
長期保存したい場合はやはりショートニングが適していますが、生地などを冷凍して食べたいときに少量焼き上げるなどの対策を摂れば、バターなどでも充分美味しい菓子類やパンができます。