みなさん、平安時代の文学といえば『源氏物語』や『枕草子』くらいだと思っていませんか?

 

この2つの存在感が強すぎるせいでいまいち日の目が当たらないのが、『今昔物語』だと思います。説話集なので読みやすく面白い話がたくさんあるのに、名前くらいしか知らない人が多い気がします!

 

そこで今回は、今昔物語の魅力をお伝えするために、わたしが面白い話を3つチョイスして、ランキング形式でご紹介していこうと思います。

第3位 ボロ屋と鬼はいつからセット?

昔、ある所に宮仕えをしている女がいました。父と母など親しくしてくれる親族や、はっきりとした夫もいなかったのに、なんと妊娠をしてしまいました。

 

運が悪いなと思いつつ出産できるところを探しますが、やはりそう上手くはいきません。仕方がないので、いざ産むときになったら、小間使いを1人だけ連れて、その辺の山で産んでしまうことにしました。子供が死んでしまえばそのままで構わないし、生きていても置いてきてしまおうと考えたのです。

 

そしていよいよ陣痛です。小間使いを連れて山を彷徨っていると、誰も使っていないようなボロ小屋がありました。安心して少し休んでいると、奥の方からおばあさんが出てきました。

 

「人がいたのか」と思いつつ謝り、事情を説明すると、同情したおばあさんがその場での出産を許してくれ、産後のお世話までしてくれました。

 

ところがあるとき、おばあさんが自分の子供を見て「美味そうなガキだ」と言っているのを聞いてしまいます。確かに捨ててしまおうとはしましたが、食べられてしまうなんて冗談ではありません。

 

そのあと急いでボロ小屋から脱出し、赤ん坊は他所に預けて育ててもらうことにしました。おばあさんが鬼だったのかどうかは分かっていません。

第2位 巻き込まれたツバメは傍迷惑

とあるところに夫婦と、その妻の両親が一緒に住んでいたが、夫が亡くなってしまいました。

 

両親たちは新しい男を見つけて娘と結婚させようとしますが、娘は「夫とずっと一緒に連れそう運命ならば、前の人は死ぬわけがありませんでした。しかし死んでしまったということは、新しい婿をとってもまた死んでしまうということです。」と言って断固拒否します。

 

それでも無理矢理話を進めようとする両親に、「この家にはツバメの夫婦が巣を作っています。夫のツバメを殺し、妻のツバメには印を付けてください。来年、妻のツバメが新しい夫を連れて帰ってきたら私も結婚します。」と言い放ちます。

 

両親はその通りにし、夫のツバメは殺してしまい、妻のツバメには印をつけました。

 

すると来年、妻のツバメは1匹で家に帰ってきて、新しく卵を産むことはしませんでした。

 

これを見た両親は、「野生動物ですらそうなのか」と納得し、二度と娘に再婚の話を持ちかけることはしませんでした。

第1位 親の愛とは?あまりの後味の悪さ

昔、とある山道を、乞食が2人、その前に女とその子供が歩いていました。すると乞食の1人が女を襲い、乱暴をしようとしました。

 

「言うことを聞くから、こんな野外で乱暴をされるのは嫌。せめて柴で囲いを作って頂戴。」と女が言うので、乞食たちは言われた通り囲いを作りました。続けて女が「今日はお腹を壊していて苦しいから、あちらで用を足していきたい。」と言いますが、勿論乞食たちはそのまま逃げられると思って許しません。

 

ただ「信じられないのならば子供を人質として置いていきます。」とまで言うので、乞食たちは、「まさか子供を置いて逃げはしないだろう」と思い、仕方なく用を足してくるのを許可しました。

 

ところが女は予想を裏切り遠くへ遠くへ逃げ出します。次第に道にぶつかり、侍たちに会ったため、事情を説明して先ほどの場所に戻りました。

 

するとそこには、無残にも引き裂かれた子供の死体がありました。

 

侍たちは「子供を犠牲にしてでも、女としての自分を守るのは素晴らしい」と女を褒め称え、裕福な者でなくてもそのように恥を知る者がいるんだと実感しました。

 

今昔物語の面白い話まとめ


  1. ボロ小屋と鬼はこの頃からセットであったのかだとか、この頃の出産事情が垣間見ることができるお話。
  2. 娘の起点の利かせ方は感心してしまうし、ツバメの夫婦の愛にも感動するところがあるが、人間の都合で旦那を殺されたツバメはたまったものではないというお話。
  3. 「如何なる時でも女は貞操を守れ」という、この頃の女に対する考え方がよく分かるお話であるが、子供の扱いがあっさりとしすぎていてあまりにむごい。

 

なかなか刺激的なお話のランキングになってしまいました。

 

現代とかなり価値観が異なるところがあるので、驚きつつも楽しく読むことができると思います!短編集のように飲めるので、ぜひ他のお話も読んでみてください。

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