時代劇などで、村人から助けを求められた主人公が返事をする際などによく耳にする「あいわかった」。この言葉って何気なく聞いていて、なんとなく意味を分かったつもりでいるけど、本当はどういう意味?「あいわかった」の「あい」って何?どういう時に使われていたの?いつから使われなくなったの?そんな疑問に答えます。

 

「あいわかった」の「あい」ってどう書くの?意味は?

「あいわかった」を漢字にすると「相分かった」と書きます。

この際に使用する「相」という漢字。これを日本語辞書で調べると

①<名詞の上につく場合> ともに。いっしょの 

②<動詞の上につく場合> a互いに、b語勢を添える、または語調を整える。

とあります。(講談社 日本語大辞典参照)

「相分かった」の場合の「相」は、②のbである、【語勢を添える、または語調を整える】という意味を持っています。

つまり、「分かった」という言葉に対して、ちょっとだけ意味を強くし、言葉の調子(リズム)を整えているということになります。

筆者は「相分かった」の「相」は、「はい分かった」の「はい」と同義語だと思っていたのですが、ちゃんと調べてみると全然違う意味でした。知ったつもりでいたことが恥ずかしいです。

「相分かった」はいつからいつまで使われていたの?どういう使われ方をしていたの?

 

「相」の意味が分かったところで、ではどういった時に使用されていたのでしょうか?

「相」の意味で出たように、誰かのお願いなどに対して、「分かった」という返事よりももう少しだけ重く受け止めていることを伝えるときに使っていた言葉だと思われます。

国語の授業で一度は聞いた事のある、日本最古の歴史書・古書と言われている「古事記」(奈良時代、約1,300年前)に、「あい(あひ)」という言葉が使われていたことが確認されています。しかしこの時に使用されている「あい(あひ)」は現代の国語辞典でいう【ともに。一緒に】という意味を表していました。

その後、鎌倉時代中期(約770年前)になると「あい(あひ)」は「しっかりと」や「確実に」という意味をもった言葉として使用されていたそうです。この時に「あい(あひ)」は【語勢を添える、または語調を整える】という意味も持ち始めたのですね。

その後、「室町時代」や「安土桃山時代」を経て私たちがテレビで見るようになる時代劇の舞台である「江戸時代」となります。江戸時代では「相(あい)」という漢字が使われるようになり、【語勢を添える、または語調を整える】という意味でも「相(あい)」は使われていましたが、江戸時代が終わり明治時代になると、「相(あい)」という言葉が【語勢を添える、または語調を整える】という役割で使用されたという文献は目にしなくなります。明治時代になり異文化の流入によって「相(あい)」という言葉は、【語勢を添える、または語調を整える】という意味では使われなくなってしまったのですね。

ちなみに「相分かった」という言い方は、「分かった」を強くしている言葉であり、丁寧さには欠けてしまうので、現代で目上の方に言うことは控えた方が良いと思います。

 

「相(あい)」が【語勢を添える、または語調を整える】として使われている他の言葉は?

「あいすみません(相すみません)」

謝罪の言葉である「すみません(済みません)」を少し強調しています。現代ではあまり馴染みのない言い方であり、丁寧さには欠けてしまうので、こちらも目上の方に言うことは控えた方が良いと思います。

なお、こちらの言葉を少しだけ丁寧にすると「相申し訳ございません」となりますが、丁寧にしたとしてもやはり現代には合わない使われ方なので、使用はオススメいたしません。

 

「あいゆるす(相許す)」

誰かを許す際に「ちゃんとあなたを許しますよ」という意味合いとなります。

友人などの近しい間柄の誰かと仲直りをする際に使うと雰囲気も和むため、こちらは現代で使っても違和感はなさそうですね。ただ、取引先などの立場が異なる相手に対しては使用しない方が良いかもしれません。

 

「あいなる(あい成る)」

なる(成る)を強調しているので、「そのようになる」という言葉を強調することになります。使用例としては「そのように相成りました」といった感じで使用されます。たま~にこのような言葉を使われる方がいらっしゃいますが、特に意識せずに「相」を「はい」だと思って聞いていました。それぐらい言葉の差はなく、使っても使わなくても相手の認識はそこまで変化は無さそうですね。

 

「あいかわらず(相変わらず)」

今回この「相(あい)」という言葉を調べていて、「なるほど~」と一番納得した言葉でした。こちらは日常生活でも使用されている頻度は高いのではないでしょうか。「相変わらず」は一つの単語として認識していましたが、変わっていない様子や、今まで通りであるということを強調するための「相(あい)」だったんですね。

なお、似た様な言葉で「相も変わらず」という言い方がありますが、これは相手に対して侮蔑の意味(相手を見下していたり、軽蔑した意味合いを持つ)があるので、使用には十分注意してください。


 

まとめ

  • 「あいわかった」は「相分かった」と書く。
  • 「相(あい)」という言葉は【語勢を添える、または語調を整える】の意味を持つ。
  • 「相(あい)」は後ろの言葉を強調する。
  • 「相(あい)」が【語勢を添える、または語調を整える】という意味で使われていたのは、鎌倉時代中期(約770年前)~江戸時代末期(約150年前)まで。
  • 「相分かった」以外にも同じ「相(あい)」の使われ方をしている言葉もある。
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