ラーメンなどの中華麺には必ず入っている「かんすい」というものをご存知でしょうか?
中華麺以外にはかんすいは入っていないそうです。
そのかんすいというものが中華麺と他の麺の大きな違いなのでしょうか?
かんすいの成分や栄養素は?
かんすいの危険性はあるのか?
かんすいはどんなものなのかを調べましたのでご紹介します。
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かんすいとは?
かんすいとは中華麺の製造で用いられる食品添加物のことです。
かんすいの用途は品質改良剤で、小麦に添加して品質を改良します。
中華麺特有のコシや弾力、のど越し、香り、発色はかんすいの力によるところです。
かんすいはアルカリ性なので、小麦に含まれるグルテンと反応して弾力が生まれます。
弾力が出ることでコシやのど越しが良くなります。
同様にかんすいと小麦に含まれるフラボノイドが反応することで、あの黄色みを帯びた麺になります。
中華麺でも濃い目の黄色だったり白色っぽいものなどがありますが、着色料を使っているわけではなくビタミンB2を加えたり卵を多めに入れたりとしていることで麺の色が異なります。
かんすいを入れることで日持ちするようになります。
乾麺ではないうどんなどはあまり日持ちしませんよね。
うどんなどはかんすいではなく、塩を加えているため中華麺ほど日持ちしません。
日本の中華麺は公正競争規約で「小麦粉にかんすいを加えて捏ね上げ製麺したもの」と決まっているので中華麺には必ずかんすいが使われています。
中華麺以外にも焼きそばやパスタ、即席ラーメン、ワンタン、マカロニなどに使われていることがあります。
かんすいを使わずに中華麺をつくろうとするとうどんになってしまいます。
かんすいの成分
また、かんすいと呼ばれる物質は16種類あり、すべてが合成化合物になります。
「炭酸カリウム」「炭酸ナトリウム」「炭酸水素ナトリウム」「ピロリン酸四カリウム」「ピロリン酸二水素ナトリウム」「ピロリン酸四ナトリウム」「ポリリン酸カリウム」「ポリリン酸ナトリウム」「メタリン酸カリウム」「メタリン酸ナトリウム」「リン酸三カリウム」「リン酸水素二カリウム」「リン酸水素二ナトリウム」「リン酸二水素ナトリウム」「リン酸三ナトリウム」があります。
このうちピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸は自然界に存在しないリン酸塩です。
かんすいは主に炭酸カリウムと炭酸ナトリウムが使われていますが、成分比率はメーカーや製品によって異なります。
戦後の日本ではかんすいの代わりに水酸化ナトリウムやケイ酸ナトリウムが用いられていました。
水酸化ナトリウムはたんぱく質を腐食する作用があり、ケイ酸ナトリウムは粘膜を侵してびらんさせる作用があり身体に悪いことから現在では使われなくなりました。
こういった経緯もあり、かんすいは身体に悪いという意識を持っている人もいるのかなと思います。
かんすいの危険性と安全性
食品添加物である以上、安全性の一定の基準をクリアしていて実験や試験などで安全性が確認されているもののはずですが、かんすいは危険性を指摘されています。
かんすいが危険といわれているのには何個かの理由があります。
まず身近なものでいうと、ラーメンを食べるとお腹を壊したり下痢になってしまう人もいるのではないでしょうか。
かんすいはアルカリ性なので腸が刺激されて下痢を引き起こす恐れがあります。
ただしラーメンでお腹を壊したり下痢をするのは脂が原因のことが多いです。
かんすいはラーメンに必ず入っているといっても過言ではありません。
そのため中華麺を使った冷やし中華なら平気、とんこつラーメンはダメだけど塩ラーメンなら平気と症状が一定でない場合は脂が原因のことが多いかと思います。
もしかんすいが原因で下痢を引き起こしている場合は、アルカリ性は水に溶けだす性質があることから麺を茹でた汁でスープをつくらないことで下痢を防げます。
人体にとってナトリウムやカリウム、リン酸の摂りすぎは身体に悪いとされています。
かんすいにはそれらが含まれていますが、中華麺1食あたり0.1~0.2g程度。
またそれらの成分は水溶性なため人体に入るのは微量と考えられます。
このことからかんすいが絶対悪というわけではなく、ラーメンなどを頻繁に食べてしまったりすることで栄養が足りなくなるリスクの方が心配かと思います。
まとめ
・かんすいは品質改良剤として使われる食品添加物。
・公正競争規約で中華麺には必ずかんすいを使うことが決められている。
・戦後は身体に悪い成分がかんすいとして使われていたことで、かんすいは身体に悪いという意識がある?
ラーメンというとかんすいの危険性より塩分や栄養価の偏り、油脂の過剰摂取が気になります。
かんすいの成分は微量であり、またアルカリ性のため水に成分が溶けだしてしまうのでかんすいの成分の危険性は少ないのではないのかと思います。