ハメハメハとカメハメハ、この二つの言葉は聞いたことありますよね。
テレビで聞いたことある人も多いと思います。
あるときはNHKの歌番組から。またあるときはハワイの紹介番組から。またあるときは某アニメの主人公の必殺技から私の耳に飛び込んできました。
ですが、結局本当はどっちが正しいんでしょうか。
ハメハメハかカメハメハかよく分からなくなる人も多いでしょうね。
実際のところ、何の名前でどっちが正しいんでしょうか。
どうして表記が二つあって意見が割れるんでしょうか。
今回はそこのところをはっきりさせたいと思います。
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南の島のハメハメハ大王という歌の場合
まずハメハメハが正しいと主張する人は、この歌を思い出すのではないでしょうか。
童謡の「南の島のハメハメハ大王」という歌がその昔、NHKの「みんなのうた」という音楽番組で初めて放送されました。リリースは1979年です。これ以降も何度も放送されています。
作詞家は伊藤アキラという人で、名前の通りもちろん日本人です。
ちなみに、この歌のことでハメハメハかカメハメハでもめているならハメハメハが正しいです。
大王だけでなく家族全員がハメハメハであり、島の住民全員がハメハメハという名前です。
まず南の島とはどこなのかというと、歌の中では明確にハワイとは言われていません。あくまでも「南の島」です。
なぜハワイが南の島だと誰もが思うのでしょうか。
それは、ハワイ王国を築いた実在の大王と名前が酷似しているからです。
伊藤アキラ氏によると、ハメハメハ大王は実在の大王の友達という設定だそうです。
ハワイ王国のカメハメハ大王の場合
現在はアメリカ合衆国の領土になっているハワイ州ですが、かつては独立した王国がありました。
ハワイ王国の実在の大王の名前なら、ハメハメハではなくカメハメハが正しいです。
ちなみに、カメハメハ王朝という時期がハワイ王国時代にはありますが、カメハメハ五世までの統治時代をそう呼びます。
二世は初代カメハメハ一世の息子です。三世も一世の息子ですが二世の弟です。四世は三世の甥で、一世から見て孫にあたります。五世は四世の兄であり、こちらも一世から見て孫にあたりますね。
これ以降は一世の直結の子孫ではなくなっています。
ハワイ諸島で三つになっていた王国を、西暦1810年に統一してハワイ王国にしたのがカメハメハ一世です。
一般的にハワイのカメハメハ大王を指す場合は、この一世のことです。
ハワイ諸島内でも、左手に槍を持った像が三カ所も作られたりお土産としてカメハメハ大王像と似た人形が売られています。
ハワイは元々書き文字の文化がありません。そのため、イギリス人やアメリカ人から伝わった英語のアルファベットに話し言葉を当てはめています。
元が口頭のみの表現なので、アルファベットだけでは合わず記号なども表記に使います。
そのため古い文献では、表記ゆれとして "Hamehameha" という記述もあります。
実は日本だけではなく、英語の文献の中でもハメハメハとカメハメハの解釈がずれたことがあります。
現在は "Kamehameha" で統一され、日本語でもハワイ王国の大王は「カメハメハ大王」と呼ぶのが一般的です。
ドラゴンボールのかめはめ波の知名度の影響
なぜ、ハメハメハ大王という架空の人物の歌をカメハメハ大王と思いやすいのでしょう。
ハワイ王国やカメハメハ大王を知らない子どもでも、週刊少年ジャンプの『ドラゴンボール』の孫悟空というキャラクターの必殺技「かめはめ波」を知っていることが多いです。
日本を代表するバトル漫画ですが、実はハワイ諸島ではアニメが放送されていません。
たまたまではなく、ハワイ王国のカメハメハ大王が技名の由来だからです。
ハワイに住む人からすると、ハワイ諸島を統治した尊敬すべき大王であり王族の名前であり王朝の名前です。神聖なものです。
漫画の主人公の技名になるなどイメージが合わないのでしょう。
有名な漫画の、しかも主人公の代表的な必殺技です。かめはめ波だけ避けるのも難しいのでアニメそのものが放送されなかったのでしょう。
日本ではあまりにもドラゴンボールの知名度が高いので、ハメハメハ大王の歌もカメハメハだと思い込んでしまう人が多いです。
それに実在の大王の名がカメハメハなので「ハメハメハが間違っている」と思いやすいですよね。
まとめ
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南の島のハメハメハ大王という歌の場合、ハメハメハが正しい
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ハワイ王国のカメハメハ大王の場合、カメハメハが正しい
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ドラゴンボールのかめはめ波の知名度の影響もあって、余計にややこしい
元はすべてハワイ王国のカメハメハ大王が起源ですが、ややこしくなっていました。
話をするときは、それぞれ正しい表記をしたいですね。