せんべいなどにたまり醤油と書かれていると、普通の醤油より美味しそうに感じますね。

濃いのに深みのある風味をしているたまり醤油ですが、果たして醤油と製法や味、食べ方に違いはあるのでしょうか?

たまり醤油の歴史と併せてご紹介します。

たまり醤油とは?

大豆は縄文時代に中国から朝鮮半島を経て伝来したそうです。

平安時代には醤油のルーツである醤(ひしお)がつくられていました。

たまり醤油の起源は鎌倉時代といわれています。

ある禅僧が歴史ある味噌の作り方を村人に教えていたところ、味噌から醤油が染み出して溜まっていたため「たまり醤油」と呼ばれるようになったそうです。

江戸前寿司が発展したことで、江戸時代ではたまり醤油が当たり前にどこでも使われていたそうです。

たまり醤油は味噌の原料である大豆に麹を加えて1年間発酵させ、味噌玉というものをつくります。

ここから染み出すもろみ液を味噌玉にかけ、その工程を何度も繰り返して醤油を熟成させます。

そのためたまり醤油特有の濃い色あい、とろっとした粘り気が生み出されます。

醤油は大腸菌なども短時間で死滅させるほどの殺菌力があるため、古くからその性質を活かして、生鮮食品の醤油漬けが流行っていました。

たまり醤油は醤油生産量の約2%しかないので貴重な醤油ですね。

醤油とたまり醤油の味の違い

醤油には濃口醤油や薄口醬油、白醤油、刺身醤油、減塩醤油などさまざまな種類がありますね。

それぞれにどういった味の違いがあるのか調べてみました。

関東などでは一般的によく使われている濃口醤油は大豆と小麦を半分ずつ主原料としていますが、たまり醤油は100%が大豆です。

たまり醤油でも少量の小麦を使用しているメーカーもありますが、基本的にたまり醤油は大豆の濃厚な香りが特徴的です。

刺身醤油もたまり醤油の仲間ですね。

醤油生産量のうち80%以上を占める濃口醤油は生臭さのある魚や肉料理に合います。

きりっとした塩辛い味が特徴的ですね。

濃口醤油は大豆と小麦、約16%の食塩でつくられます。

まず大豆と小麦に麹菌を加えて醤油麹をつくったら、食塩を加えて発酵させもろみをつくります。

発酵が終わったもろみを絞ると出てくる汁が醤油です。

薄口醤油は色を薄くさせるために濃口醤油よりも発酵を抑えています。

しかしそれだと味も薄くなてしまうので濃口醤油より、食塩を1~2%多くしています。

野菜や白身魚、煮物、お吸い物など淡白な食材を上品に優しく仕上げてくれますね。

色が薄くつくので見た目を意識したいときに薄口醤油が便利ですね。

しかし塩分濃度が高いので、濃口醤油と同じ感覚で使うのは避けたいです。

白醤油とはあまり聞いたことがないのではないでしょうか?

白醤油とは小麦と大豆の比率を9:1もしくは8:2と小麦を多く使ってつくる醤油です。

多くの醤油は小麦と大豆をほぼ等量でつくっています。

そのため糖分が多く、琥珀色をした透き通った色が特徴的です。

汁物や鍋料理に合う醤油です。

白醤油は江戸時代後期に発祥したとされ、大豆が不足すると米でも白醤油がつくられていたそうです。

減塩醤油は食塩が濃口醤油の半分以下、薄塩醤油は80%以下になっています。

最近の寿司屋ではこれらの醤油が置いてあることも多くなりましたね。

味はすっきりしていて素材の味を邪魔しませんが、かけすぎてしまうことも多いので注意が必要です。

たまり醤油の使い方

たまり醤油は刺身、せんべい、照り焼き、佃煮、かば焼きのタレなどに向いています。

東海3県と九州地方が主な生産地で、九州などではみりんとたまり醤油を合わせて刺身醤油として使うのも定番ですね。

ただたまり醤油はやはり濃口醤油よりも味が濃い目なので使う時は気持ち控えめにしておくといいですね。

たまり醤油は臭みを抑える効果もあるので、魚や肉の煮込み料理にも合いそうですね。

みりんとたまり醤油だけでもこってりとした甘さが表現できるので、砂糖をあまり使いたくない人には使いやすい醤油ですね。

また、小麦アレルギーの人は醤油が使えないという人はたまり醤油なら安心なのではないでしょうか?

小麦が多少使われているたまり醤油もありますが、まったく使用されていないたまり醤油もさまざまありますので探してみてください。

まとめ

・たまり醤油は味噌の絞り汁からつくられた。

・濃口醤油などとは異なり、小麦は使われていないか、使われていても極少量。

・臭みを消す効果があるので魚料理や肉料理との相性がいい。

醤油と一口にいってもさまざまな種類がありますね。

味噌の絞り汁から出来ているといえば「味噌のたまり」という調味料もありますがそれとたまり醤油は別物のようです。

料理によって醤油をさまざま変えてみるのも味に飽きがこなくていいですね。

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