秋から冬にかけて旬になるししゃも。
炙ってもフライにしても美味しい魚ですね。
実はそんなししゃもには本物と偽物がありますが、みさなま知っていたでしょうか?
これまで食べてきたものが実は偽物かもしれません…。
ししゃもの本物と偽物の定義、味や見た目による見分け方などをご紹介します。
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ししゃもの本物と偽物ってどういう意味?カペリンという魚の正体とは?
本物のししゃもは北海道太平洋沿岸だけに生息する日本固有の魚だそうです。
世界中のどこでもとれると思われがちですが、10~11月にかけて北海道太平洋沿岸のみでとれます。
本物のししゃもはサケ目キュウリウオ科シシャモ属の魚で、体長12~18cm程度、背中が暗黄色でお腹が銀白色。
うろこが大きく目視可能で、口が眼より後方まで伸びています。
一方、偽物と呼ばれるししゃもは輸入魚であり、ししゃもの代用魚です。
偽物のししゃもは「カペリン」「カラフトししゃも」という名前で、市場に出回る子持ちシシャモの9割以上がこの偽物にあたるようです。
カペリン(別名カラフトししゃも)はサケ目キュリウオ科マロータス属です。
北太平洋、北大西洋沿岸、北海道北部に生息しています。
カペリンの身体は全体的に青みの銀色で本物のししゃもより細長く、口も小さいです。
カペリンのメスのみが市場に出回っています。
一見、そっくりですが生物学的にはししゃもとカペリンはまったくの別物です。
同じネコ科でもライオンと家猫が別物のように、ししゃもとカペリンもそれほど異なるようです。
また、北海道沿岸ではカペリンを販売しているところが少ないそうです。
ししゃもとカペリンに味の違いはあるの?
見た目の違いはわかりましたが、果たして味はどうなのでしょうか?
カペリンは子持ちのものが人気で、オスは不人気ですね。
カペリンのオスは細くて身もかためです。
身の美味しさというより、細身の身体にぎっしりと卵が詰まっている触感の美味しさのが印象が強いですね。
しかし本物のししゃもはカペリンほど長くはないですが、胴体が太くしっかりしています。
厚みも2倍ほど本物のししゃものがあついです。
味もカペリンの数段上をいく美味しさで、ふっくらとしておりカペリンのようなくさみが少ないです。
また、本物ししゃもはオスの方が人気のようです。
産卵時期のメスは卵にうま味がいってしまい、身の味は落ちます。
この時期のメスは卵の甘みが強くぷちぷち、身もしっとりとしています。
卵の触感が好きな人は好きなようですが、純粋に魚の身の味が好きな人はオスを好む傾向にあるようです。
値段もかなり異なり、カペリンは1パック300~400円程度に対し、本物のししゃもはオス10匹で1000~2000円、メスは3000~4000円程度と10倍くらいかわってきます。
北海道太平洋沿岸で2ヶ月程度しかとれないというだけあって、本物のししゃものお値段はかなりのものですね。
なぜ本物のししゃもの数は減った?
ししゃもがなぜカペリンという輸入魚にかわってしまったのでしょうか?
輸入魚というからにはそう遠くない昔にししゃもが減って、カペリンが定番になったと推測できますね。
1980年代前後ころからカペリンが輸入されはじめたようです。
味は全く別物ですが、見た目が似ているということでカペリンをししゃもと呼ぶようになったそうです。
そのころにはししゃもが乱獲されて減少の一途をたどっていたことからカペリンがししゃもの代用としてメジャーになったようです。
一時期は絶滅を危惧されるほど本物のししゃもの数は減っていってしまったそうです。
ししゃも漁に制限をかけることで近年は本物のししゃもも漁獲量が安定してきましたが、北海道太平洋沿岸で2ヵ月しかとれないということもあって未だに値段も高いそうです。
そのため北海道以外だとインターネット通販以外では手に入る方法はほとんどないかと思います。
食卓の定番と思ったら本物のししゃもは稀少な魚…。
また、カペリンは世界中の魚のなかで漁獲量が4番目に多いらしいです。
主にノルウェー、カナダ、アイスランドといった寒い地域で漁獲されます。
カペリンの漁獲量は年196万トン、対して本物のししゃもは年1300トンだそうです。
この漁獲量の違いを見れば本物のししゃもの稀少価値がわかりますね…。
まとめ
・偽物のししゃもはカペリンといい、ほとんどが輸入魚。
・本物のししゃもと偽物のししゃもはそもそも生物学的に全く別物。
・味も値段も本物のししゃもは数段上をいっている。
本物と偽物があったとは驚きです。
見比べると全然別物ですね。
やはり代用品が出るほど日本人にとってはししゃもの存在が大きいんですね。
高級魚と並んでいいくらいのお値段ですが大変稀少なものなので、北海道沿岸にいく方はぜひご賞味ください。