人間は食べなければ生きていけません。そして食べ物の中には、人間が生きていくのに必要な栄養素も含まれていれば、不要なものも含まれています。不要なものは「うんこ」として体外に出されます。

一方で、動物の中には体外に出したうんこを食べてしまうものもいます。その代表例がウサギで、深夜から早朝にかけて出される軟便を食べるということが知られています。

では、なぜウサギはうんこを食べるのでしょうか。それはウサギの主食が草であることに関係しています。草は食物繊維が豊富で消化されにくく、ウサギの消化酵素では一度に栄養をうまく吸収できないため、盲腸で発酵させて一旦体外にうんことして出されます。発酵されたうんこには、ビタミンやたんぱく質が豊富に含まれているため、これを食べるのです。

人間の場合ウサギのように食糞をする習慣がないので、うんこは不要物のかたまりとして扱われていますが、これはどのような味がするかちょっと気になりませんか?さらに、もし仮に食べてしまった場合に人体への影響はあるのでしょうか?うんこに含まれている成分を調べて検討してみました。

うんこの味は胆汁酸によるもの


そもそも、うんこはなぜ茶色なのでしょうか。これは、人間の内臓のひとつである胆のうから出される「胆汁」が関係しています。もし、胆のうに異常があるとうんこが白くなることもあります。

この胆汁は、胆汁色素と胆汁酸を主な成分としています。胆汁色素は、使い古された赤血球が肝臓で分解され、黄色の「ビリルビン」という物質に変化したものを多く含んでいます。つまり、リサイクルできなくなった血液の不要物が胆汁として体外に出されているわけですね。このビリルビンの色素によって、うんこは茶色くなるのです。

胆汁のもう一つの成分である胆汁酸は、食物に含まれる脂肪を柔らかくして吸収しやすくする働きを持っており、脂質の消化吸収の重要な役割を担っています。また、胆汁が排出される十二指腸の手前には胃があり、食物の消化を行っています。

胃で分泌される胃酸は消化能力が優れていますが、その能力が強すぎるためとても強い酸性を示します。胃の壁を傷つけてしまう「胃潰瘍(いかいよう)」は、何らかの原因で胃酸が胃の粘膜を溶かしてしまうことによって起こります。それぐらい胃の酸性度は強烈なのです。
その胃酸が胃だけでなく、小腸や大腸にまで流れてきては大変なことになってしまいます。そのため、胃酸の酸性度を弱めるように、胃の直下にある十二指腸から分泌される胆汁はアルカリ性である胆汁酸を含んでいるのです。

アルカリ性というと、皆さんどういうものを想像しますか?
私がすぐに思いつくものは「石けん」です。石けんをなめるとちょっと苦いですよね。胆汁は石けんほどアルカリ性が強くありませんが、苦みを含むものであると想像できます。

うんこを食べたときの人体への影響は?


昔の人は、人間のうんこを作物の肥料として使っていました。そのため、うんこには栄養が含まれていそう…と考えられます。実際、そのうんこをエサとしている代表的な例として「フンコロガシ」が挙げられます。このような昆虫は、人間よりも栄養吸収率がとても高く、人間では吸収できない栄養もエサとしてしまうのです。また、豚や牛も同様に高い吸収率を誇り、以前はうんことわらを混ぜた飼料を家畜のエサとして使用していました。

一方で、人間は食物の栄養をたくさん吸収できる構造になっていないことがわかっていて、栄養吸収率は約40%と言われています。そのため、残りに含まれている栄養素はうんことして体外に出てしまっているのです。そのため、うんことして出たものは人間が吸収することができなかったものですので、食べたとしてもまったく意味のないものと考えられます。逆におびただしい数の腸内細菌が含まれており、寄生虫なども存在する可能性があるため、人体への悪影響を及ぼす可能性があると思われます。

まとめ

  • うんこが茶色いのは、使い古した血液の不要物である胆汁色素によるもの
  • うんこには胃酸を中和する役割を持つ胆汁酸を含むため苦い
  • うんこには多くの腸内細菌を含み、寄生虫もいる可能性もあるため人体への影響はある

何を食べたかによってうんこの味は変わってくると思いますが、胆汁は病気でない限りうんこに混ざるので、苦味は必ずついてくるものと思われます。
人間の栄養吸収率が低いことや、感染症のリスクを考えると食べない方が身のためですね!

おすすめの記事