世の中にはまだまだ知らない単語が多いなあと日々生きていて思います。漢字は見たことあっても読めない、読めても意味がわからないなどの言葉が日本には多く存在します。
中でもビジネスや法律で使われる言葉には意味すら推測できないような単語も多く存在するため、社会人の方は多局面で苦労し、その度に検索しているのではないでしょうか。ちなみに私も接客業から営業職へ転職した時にわからない言葉だらけで、まずはビジネス用語の読解が必要だなと感じたことを覚えています。
今回は難しい単語の中から「定款」という言葉について読み方と意味をわかりやすく説明します。なかなか日常に馴染みのない言葉ですが、社会の中では大事な場面に出てくる言葉になるので覚えておきましょう。
「定款」の読み方とその意味
まずは漢字の読み方から見ていきましょう。
定款は「ていかん」と読みます。「定」には「そうと決まったこと。その通り。」という意味があり、「規定」、「協定」などの言葉に使われています。
一方馴染みのない感じが「款」。読み方は「かん」。この漢字のいいは「①まごころをもって親しむ。よしみ。」、「②きざみつける。しるす。」、「③法令、条文などの箇条書き」の意味があります。
「定款」の意味に使われる「款」の意味は③の意味になります。単語の意味としては「法人の目的・組織・活動・構成員・業務執行などについての基本規約・基本規則そのもの、および内容を紙や電子媒体に記録をしたもの。」となります。
日本法の場合、社団法人とは言えないような特殊法人の根本規則も定款と呼ばれています。また、定款の作成は発起人」や設立時の社員などが作成を行い、署名または捺印する事で有効となります。法人の団体を作るために、目的とそのための活動を継続していくために必要な決まりごとになります。
この「定款」にはいくつかの記載事項があります、
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絶対的記載事項
法律の規定によって、定款に必ず記載しなければならない事項
記載がない場合は書面が無効になります。
必要項目:目的、商号、本店の所在地、設立時に出資される財産の価額又はその最低金額、発起人の氏名及び住所、発行可能株式総数。
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相対的記載事項
法律の規定によって、定款に記載をしなければ効力を持たないこととされている事項。定款に記載しなくても定款自体の有効性に影響はないが、当該事項が効力を持ちません。
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任意的記載事項
定款へ記載しなくとも定款自体の効力には影響せず、かつ、定款街においても定めることができる項目。重要な事項について明確にするために定款として定めることが多いです。定款として決めておくことで、簡単に変更ができなくなるためきちんと定款として決めているものが多いです。
日本には会社法という法律があり、この会社法が個人で会社を運営するにあたって定款自治を定めているため、起業をしたりする場合には定めておくべき決まり、提示しておく会社の中身の部分になります。また内部の関係者だけでなく、株主などにも会社の基本姿勢を示すものになるので、必ず定めましょう。
「定款」の使い方に似た言葉も教えます
定款の意味とその中身まで説明をしましたが、実際日常会話の中であまり耳馴染みがありません。どんな場面で出てくる言葉なのか、また似た意味を持つ言葉に「約款(やっかん)」という言葉があります。似た響きですが意味が異なりますのでそれぞれの使い分けを含めて見てみましょう。
「定款」;定款にとって役員を定める/新設した会社の定款を定める/
「約款」:契約時に約款をしっかりと読む/保険の約款/
「定款」は会社設立時に目的や組織活動などの決まりを定めたものですが「約款」は条件や条約を結ぶ時に、相互が確認し合う一つ一つの取り決めのことを指します。契約の決まりごとになっており、約款に書いてあることを破ってしまうと契約違反になることがりますので、約款はきちんと目を通すようにしておきましょう。
まとめ
・「定款」の意味:「法人の目的・組織・活動・構成員・業務執行などについての基本規約・基本規則そのもの、および内容を紙や電子媒体に記録をしたもの。」
・会社や社団法人の設立時に、会社の基本姿勢を提示するもの。
・定款に記載する内容には「①絶対的記載事項②相対的記載事項③任意的記載事項」の3つがあり①が記載されていないと定款に効力はない。
・似た言葉に「約款」があるが、これは契約を交わす際に相互が確認し合う取り決めのこと。
似た言葉もある「定款」。なかなか日常では使わないかもしれませんが、どの会社にも定めてある基本姿勢だと考えると意外と身近な決まりなのかもしれませんね。またくれぐれも何かの契約を交わす際には約款はきちんと熟読するようにしましょう。