小さい虫…ダニ?と思ってしまいますが、家のなかにいる微小の虫は決してダニだけではありません。

チャタテムシという微小の虫をご存知でしょうか。

漢字では茶立虫と書きます。

障子にいた虫から、茶を立てるときと同じ音がしたことからこの名前がついたそうです。

 

そんなチャタテムシとはどんな虫なのでしょうか?

発生原因や対策と併せてご紹介します。

チャタテムシの生態と発生原因

 

チャタテムシは昆虫網咀顎目の微小昆虫。

翅があるものとないものがいて、咀嚼口式かつ触覚は糸状です。

 

コチャタテ科やコナチャタテ科などのチャタテムシは無羽です。

体長1~2mmほどで、頭部が相対的に大きくシロアリに似ています。

書物や乾燥食品、動植物の標本、革製品などを食害します。

1匹1匹は微小ですが、団体で発生することが多いので意外と目立ちます。

 

チャタテムシ科、ホシチャタテ科などのチャタテムシは有羽です。

体長3~7mmほどで、カビや衣類などを食害します。

 

チャタテムシは1年中発生しています。

チャタテムシはオスメス関係なく、成虫が1匹いれば卵を産みます。

卵は10日ほどで孵化し、卵から孵って4日目には繁殖が可能になります。

1匹の成虫で100~200ほどの卵を産むので繁殖力が非常に高いです。

 

チャタテムシはその大きさから一見ダニと勘違いしてしまいますが、ダニと異なって人を刺したりはしません。

チャタテムシはツメダニの捕食対象なので、チャタテムシが増えることでダニが増えるという相関関係にあります。

ツノダニは人間を刺し、刺された跡は発赤、痒みがあらわれます。

ダニを吸い込むことで肺炎になる恐れもあります。

また、チャタテムシの死骸を吸い込んでしまうことでアレルギーや喘息の原因にもなるといわれています。

 

チャタテムシは本棚、食品庫、畳、段ボール箱、障子などに発生しやすいです。

まとめて置いてある古新聞や雑誌などの書籍を好んで住処にしています。

チャタテムシは高温多湿で薄暗い場所を最適な環境としており、餌はカビやほこりなどなので、不潔で湿っている場所に大発生している可能性があります。

冬、結露が続いた窓周辺の壁紙の裏に繁殖していることもあります。

チャタテムシの駆除について

 

チャタテムシは直接人間に被害を与えることがありません。

どんな家にも必ずチャタテムシは住み着いているといわれており、プロの害虫駆除業者でもチャタテムシを100%の除去をするのは難しいそうです。

そのため気にしすぎないことも大切ですが、小さいお子さんや高齢者、ぜんそくがある人がいる家庭ではダニを増やさないためにチャタテムシをできるだけ駆除したいですね。

 

まずはチャタテムシの発生源を見つけて掃除をします。

高温多湿になりやすいキッチンのシンク下、食品庫、脱衣所、洗面台の下、畳の下、クローゼット、タンス、本棚、障子、古新聞や古雑誌を置いてあるスペースなどを重点的に掃除します。

ほこりやカビを餌とするのでそれらを綺麗にしてしまうことが大切です。

 

次はバルサンなどの燻煙剤をまきます。

チャタテムシは微小で繁殖力が高く、大量発生する虫なので、殺虫剤などではなく燻煙剤をまくのが一番効果的です。

しかし隠れていたり、燻煙の届かないところに潜んでいるチャタテムシには効かないので100%駆除できるわけではありません。

 

燻煙剤をまいたあとに、隠れていて燻煙が届かないとこにいたチャタテムシをできるだけ駆除したいですね。

そこで残留性のある殺虫剤を使います。

どこにいるかはわからないのでとりあえず高温多湿なところに殺虫剤をまいていきます。

チャタテムシの対策・掃除の仕方

 

クローゼットやタンス、押し入れなどには除湿剤を入れておくといいですね。

チャタテムシは駆除より除湿の方に気を遣うといいそうです。

やはり駆除をしても高温多湿で不潔だとすぐに繁殖してしまいます。

 

湿度55%以下だと孵化した幼虫は成長できないそうですが、55%以下にするのはなかなか困難です。

60%前後を目安に除湿すると繁殖しにくいそうなので、除湿剤や除湿器を使うといいかと思います。

除湿器がない家庭の場合はエアコンの除湿運転がおすすめです。

 

あとはやはり定期的にほこりを除去してカビを発生させないようにするのが効果的です。

古新聞や古雑誌、段ボールを都度片付けるのも大切です。

出来る限り、チャタテムシの居心地のいい住処をつくらないようにするのが有効です。

 

また、チャタテムシを数匹見つけたというときは市販のアルコールスプレーを使うのが効果的です。

アルコールスプレーですぐ死んでしまうので、チャタテムシに直接アルコールスプレーを噴射して雑巾などで拭いてしまえば問題ありません。

まとめ

 

 

・チャタテムシは1年中発生し、高温多湿で不潔なところを最適環境としている。

・チャタテムシが人間に直接被害を与えることはないけれどアレルギーやぜんそくの原因となったり、ダニの繁殖を促す。

・掃除をしたら燻煙剤と殺虫剤をまいてチャタテムシを駆除。

・除湿するとチャタテムシが湧きにくい環境になるので除湿剤・除湿器・エアコンの除湿運転を駆使する。

 

チャタテムシはうじゃうじゃと大量発生し、微小なのに見た目が不快な害虫。

数匹なら掃除してしまえば気になりませんが、大量発生していると非常に気になります。

専門業者でも完全除去は難しい虫なので、チャタテムシが湧きにくい環境、好まない環境にすることが大切ですね。

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