核問題やミサイル問題で世界を騒がせている国、北朝鮮。

 

国際的にも問題視されているのが、貧困問題です。

北朝鮮政府は対外的には都市の華やかな生活をアピールしていますが、それは演出で、経済的に厳しい国であるという認識が一般的です。

更に、北朝鮮は格差社会で貧富の差が激しく、都市部から離れた農村地帯は厳しい状況にあると言われています。

 

北朝鮮の人々は、一体どんな生活をしているのでしょうか。

その実態について調べてみました。

 

 

韓国の調査でわかる北朝鮮

 
 

 


 

朝鮮民主主義人民共和国、通称・北朝鮮は、政府が厳しい情報統制を敷いています。

そして、人口や経済状況などの正確な情報が国際的に公開されていないため、正しい情報はわからないのが実情です。

 

しかし、参考にできる情報があります。

それが、韓国統計庁の発表している「北朝鮮の主要統計指標」です。

これは、韓国政府は毎年12月に発表しているもので、独自の方法で集計・推測して算出した北朝鮮の統計情報です。

2017年に発表されたデータによると、2016年の北朝鮮の人口は2490万人で韓国の約2分の1です。

GNIと比べると、その差は一目瞭然です。

北朝鮮の一人あたりの国民総所得(GNI)は146万ウォン(日本円で約15万円)なのに対し、韓国の一人当たりのGNI3198万ウォンで、北朝鮮の22倍。

北朝鮮の経済は決して裕福とは言えないと思いますが、2015年度に比べると3.9%プラス成長しているそうです。

 

 

北朝鮮の経済は上向きと言われているけれど…?

 
 


 
 

 

2012年に金正恩政権が始まってからここ数年、北朝鮮の経済は上向いているという情報があります。

確かに、ここ数年でミサイル開発や核開発が報じられていますが、その開発につぎ込まれる資金がどこから出ているのかという問題があります。

 

実は北朝鮮、鉄鉱石やレアアースなどの地下資源が豊富であるという情報があります。

北朝鮮との鉱物資源の取引は国連で制限・禁止されていますが、密輸などで稼いでいるそうです。

国際社会による経済制裁を受けながらも、ミサイルや核兵器の開発を重ねられている理由はここにあるのかもしれません。

 

しかし、鉱物資源による利益も、兵器開発ばかりにつぎ込まれ、国民の生活は一向に良くなっていないという指摘もあります。

 

 

北朝鮮国民の生活はどうなっているの?配給は?

 
 


 
 

 

北朝鮮はもともと社会主義の国ですから、国民の食料や生活用品は配給制度によって支えられていました。

しかし、1990年代半ばに北朝鮮は経済不況と食糧危機を迎え、たくさんの国民が餓死したと言われています。

配給する食料が不足したことで、配給制度は崩壊してしまったそうです。

配給の食糧では生きていけないため、人々は闇市や物々交換、密輸などで生活を支えています。

 

北朝鮮の闇市はチャンマダンと呼ばれ、元々は農村で物々交換や余った農作元の売買のための市場のことでした。

配給も国営商店も物資が手に入らないため、米や日用品など、本来売買禁止のものもチャンマダンは扱うようになったそうです。

チャンマダンは北朝鮮国内に400ヶ所以上あると言われ、国民は生活に必要なものの大半をチャンマダンで手に入れているんだとか。

しかし、チャンマダンでの商品の価格は国で定めた金額より高く、国からの賃金ではとても買うことができません。

人々が生きていくために形成されたチャンマダンですが、お金のある人しか物資を手に入れられないため、より格差を広げる原因となっています。

 

気になる北朝鮮の「都市」と「農村」の格差


 

 
 

 

格差が大きい北朝鮮の国民の中で、一番裕福な人々が住むのが、首都・平壌です。

都市で暮らす人々は一部のエリート・富裕層の中でも限られた人々です。

国に忠誠を誓ったエリートの人々は国から住居や食料、生活必需品などが支給されているそうです。

平壌市内にはスーパーマーケットや百貨店、ボウリングや遊園地などの娯楽施設もあり充実しています。

最近では携帯ショップも開店し、スマートフォンの販売もされています。

首都で仕事をし生活する人々は、高層マンションに住み食べ物も衣服も保証され、娯楽やファッションなどに費やす余裕もある海外からの旅行者やメディアに披露されるのは、そんな充実した姿です。

 

しかし、この生活ができているのは北朝鮮の国民のごく僅かな限られた人々たちです。

更にこの姿は作り物ではないかという声も多いです。

豊かだった人々すら生活が苦しく、チャンマダンで家電を売り払ったりしているというから驚きです。

北朝鮮から亡命する「脱北者」がよく話題に上がりますが、最近は中・上流階級の人々の割合が高くなっているんだそうです。

比較的豊かな人達ですら、より良い暮らしを求めて北朝鮮という国から逃げ出しているという現実があります。

 

更に、都市部を離れた農村部では、厳しい状況のようです。

道路や鉄道、電気などのインフラの整備は進んでいませんし、「移動の自由」がないため食料や仕事を求めて他の村や町に行くことも出来ません。

下流庶民の食料は主にとうもろこしご飯、山菜などで、肉を食べることはほとんどありません。

そしてこれらの食事も、収入の少ない人々は買うことができません。

国からの配給では生きて行くには足りず、正確な数はわかりませんが、干ばつや災害で不作となるたび、何万という単位の大量の餓死者が出ているようです。

食べるもがない、買えない人は雑草や木の皮、虫などでなんとか凌ごうとしますが、餓死してしまう人々が数多くいるのが現状のようです。

 

まとめ

 

・韓国統計庁によると、北朝鮮のGNIは韓国の22分の1

・鉄鉱石やレアアース資源を有し、利益を兵器開発に回している

・配給制度は崩壊し、闇市「チャンマダン」で人々は生活。貧しい人は食べていけない

・首都の富裕層は豊かな生活。それでも脱北する人々も。農村部は更に厳しく、餓死者も出ている

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