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デンマークという国をご存知ですか?
国連が発表する「世界幸福度ランキング」では、2013年、2014年、2016年には1位!毎年常に上位にランクし、2018年は3位にランクインしました。
北欧の国々は毎年このランキングの上位を独占していますが、特に、1位の常連でもあるデンマークは、「世界一幸福な国」とも呼ばれています。
ちなみに日本は、2018年は54位と、先進国の中でも厳しい結果に。
日本とデンマーク、一体どんな違いがあるのでしょうか。
デンマークってどんな国?実は日本と似てる?
デンマークは北欧諸国の一つで、北海とバルト海を分けるユトランド半島と、400を超える数々の島で構成されています。
人口は約570万人、面積は4万3千キロ平方メートルで、日本の10分の1程度の大きさ。意外と小さな国なんです。
立憲君主制国家、つまり王様のいる「王国」で、その歴史はなんと、日本に次いで世界に二番目に古いと言われているそうです。
長い歴史と豊かな文化に恵まれた国で、童話でおなじみのアンデルセンが生まれた国でもあります。首都のコペンハーゲンは、スカンジナビア半島にある国々の中でも最大級の都市で、その古く趣ある美しい街並みから「北欧のパリ」とも呼ばれているんだとか。
また、デンマークは、ここ数年で日本でも話題になったおしゃれな北欧雑貨のお店「フライングタイガーコペンハーゲン」のふるさとでもあります。
ここまでだと、日本より小さいけれど、古い歴史、美しい文化、魅力的なポップカルチャーもある、そんな国という印象。
日本も負けないぞ!と言いたいところですが、忘れちゃいけないのが「福祉制度」です。
デンマークをはじめとする北欧諸国では、高い税率で高い水準の福祉サービスを提供する、「ノルディックモデル」と言われる制度を取っています。
この「高福祉高負担」がデンマークを「世界一幸福な国」にしているとも聞きますが…本当なんでしょうか?
貧困率の低さは世界一!?生活保護の違いは…
OECD(経済協力開発機構)の2015年の調査によると、デンマークの貧困率は驚きの5・5パーセント!これは調査対象の主要な42カ国中最低、つまり一番貧困率が低いということ。
日本の貧困率は16.1パーセントですから、その凄さがわかります。
デンマークの高齢者は年金制度で生活が保障されるので、貧困に陥る老人がほとんどいないらしいです。
貧困者を支える失業保険や生活保護はどうなっているのでしょう。
失業保険の額は、貰っていた給与の90パーセントで、最大3年間支給されます(上限あり)。
生活保護費は、OECDの調査を参考にすると、単身者の給付額は日本の約1.34倍程度のようです。
夫婦揃って給付、子供がいる場合などの給付額は日本とそれほど差はないようです。
デンマークで生活保護の給付を受けるのは単身者が多いそうなので、独り身で貧困に陥るケースは少なそうですね。
デンマークの教育費や医療費は驚きの安さ!
デンマークは教育に関する保障も充実しており、駐日デンマーク大使館のツイッターでもお墨付きです。
大学・大学院まで学費は無料で、18歳以上の学生には月額10万円弱ほどの生活支援金が給付されるなど、国民が学ぶ上でお金の心配をする必要もないんだとか。
大学時代アルバイトに追われた身としては正直羨ましい限りです。
医療費だって原則無料、出産費用も無料です。
17歳以下まで児童手当が給付され、18歳以降も社会人になるまで給付金が支給されます。
子育て安心、病気しても医療費は心配なく、学業面でも生活を保障され不自由なく学べます。
そして、前に高齢者の年金制度に触れたように、老後の心配もありません!
ここまでくると、「世界一幸福」と言われても、正直納得です。
デンマークの気になる税金、物価、そして問題も…
ここまでデンマークの充実した社会福祉について触れてきましたが、忘れちゃいけないのが、その予算。
デンマークは高福祉な分、高負担、つまり税率の高い国です。
所得税はなんと50〜60パーセントと、所得の半分以上が税金で取られてしまいます。
日本なら所得税は5〜45パーセントですから、その高さがわかります。
デンマークはそのほかの税金も高く、消費税は25パーセント、自動車税に至っては180パーセントという信じられない額です。
まさにハイコストハイリターンといった様相です。
日本だったら到底生きていけない税率ですが、その分社会福祉が充実しているため、貯金がなくても生きて行く上で不安は少ないのでしょう。
福祉サービスが良いからと言って、必ずしもそれが持続可能とは限りません。
手厚すぎる福祉サービスによるモラルハザードの危険性も、常に問題視されてもいます。
また、近年急激に増加している移民の問題で、生活保護費のあり方なども議論されているようです。
良い面があれば問題な面もある…ただ福祉が充実すれば良いとも限らないようですが、この高福祉高負担の制度が、世界一幸福なデンマークという国を支えているのは間違いなさそうです。
まとめ
・デンマークは高福祉高負担の国。
・貧困率が低く、単身者向けの生活保護も厚い。
・教育・子育て・医療・年金と一生手厚く保障される。
・その分高い税金の負担。社会問題も。