毎年新年を迎えると、「今年こそダイエット!」を目標に掲げた方も多いのではないでしょうか?

お正月からの1ヶ月はやる気も十分で、食事や運動に気をつけ順調に体重も減ってきているはず。ところが、2月に入ってから体重の減りが悪い…その事によってやる気が落ちて食事制限や運動へのモチベーションも下がってきてしまった、という方もいらっしゃるのではありませんか?

この状態こそが、ダイエット成功の鍵ともなる期間「停滞期」です。
停滞期ほど苦しいものはありません。

今回は、ダイエットの天敵「停滞期」を楽しく効率よく脱する方法をお伝えします。

ダイエット経験者の誰もが通過する停滞期とは?

まず、どういう仕組みで停滞期が訪れるのかを知る必要がありますね。
人間の体には環境が変わっても体の状態を正常に保とうとする本能が備わっています。外部からの危険や生命の危機を感じると、本能的に体を守ろうとする機能です。
これをホメオスタシス(恒常性)機能と言い、体温や血糖値などの基礎代謝、食事からのエネルギー(カロリー)吸収率、運動でのエネルギー消費を調節して体を正常な状態に戻そうとします。
この人間の本能が体重を減らすのをストップしてしまう期間を「停滞期」と呼んでいるわけです。

例えば、風邪を引いて数日ご飯が食べられず体重が落ちて、わーい!と喜んだのもつかの間…風邪が治ったら1日で元どおり、という経験はありませんか?これもホメオスタシス機能が働いて基礎代謝が減り、元気になった後に摂取したカロリーをしっかりと体に取り入れている一例です。
同じく、ダイエットによって体重が減少した場合も体が飢餓状態を察知してホメオスタシス機能が働きます。
体重が減少するのを抑えるために基礎代謝を落として、少量の食事からも出来る限りのエネルギーを体に取り込もうとカロリーの吸収率が上がります。そして逆に運動によるエネルギーの消費を抑えようと調整しているわけです。
これが体重減少を妨げている原因であり、ダイエット停滞期の正体。

自分の思考や行動はしっかりダイエットに向き合っているつもりなのに、体がダイエットとは真逆の働きで体重減少を抑えている状態なので、思うように体重が落ちずに心が折れそうになりますよね。

ダイエットの停滞期はいつ頃訪れるの?

ホメオスタシス機能が働くタイミングは食事制限によるダイエットを開始してから1ヶ月前後、または体重が5%減った頃と言われています。

例えば、体重が60kgの方なら体重が57kg、50kgの方なら47,5kgに減った状態。元の体重によって、停滞期に入るタイミングにも個人差があるということです。

元々の体重が低い方は少し体重が落ちただけでもホメオスタシス機能が働いて停滞期が訪れます。

停滞期が一度来たからもう大丈夫!ここを乗り越えたらダイエット成功!と言いたいところですが、残念ながら停滞期が訪れるのは一度だけではありません
体が体重が減った状態を「通常」と認知し、その後また少し体重が減ったところでホメオスタシス機能が働いて再び停滞期が訪れます。
しかし、一度停滞期が終わったからと安心せず、その後何度もやってくるということを知っているだけでも、ダイエット成功への大きな一歩です!

停滞期こそ成功の鍵!どうやって乗り越える?


ではどうしたらこの停滞期をいち早く脱することができるのでしょうか?
まずおすすめなのが、運動の種類を変えてみることです。

ダイエットを始めた時、あなたが取り入れた運動はどんなものですか?

ランニングや自転車、ウォーキング、スイミング、ヨガなどは有酸素運動といい、脂肪燃焼に効果がある種類の運動です。
そして筋トレやボクササイズ、スポーツジム等での息が上がるほどの激しいスタジオレッスンなどは無酸素運動と言い、筋力増量と基礎代謝を上昇させる効果があります。

ダイエットを始めた当初に取り入れた運動がランニングなどの有酸素運動だった場合、停滞期には基礎代謝が落ちカロリー消費も抑えられているので、運動の効率がぐんと下がります。そこで思い切って、運動の種類を筋トレに変えてみると、筋肉がついて基礎代謝が上がるので停滞期から早めに脱出する一歩になります。

また、始めから無酸素運動を取り入れていた方は、鍛える筋肉の部位をより大きいものに変えてみる事をお勧めします。
体の中で大きい筋肉を鍛えるほど、効率よく基礎代謝を上げることができます。
体の中で、体幹に近い下半身の筋肉ほど大きく、末端に行けば行くほど小さくなります。体で最も大きな筋肉は、大臀筋と呼ばれるお尻の筋肉です。
例えば、ダイエットの当初に腹筋を重点的に鍛えていた方は、筋トレの項目をスクワットに変更するのがおすすめ。大きな筋肉を鍛えられて基礎代謝が上がり、ヒップアップ効果も得られますよ!

スクワットのいい所は、ながら運動として生活に取り入れられること。テレビを見ながら、お料理の合間に、など生活の隙間時間でスクワットを取り入れてみましょう。
体重が変わらなくても、ヒップアップなど見た目に変化があるとダイエットを続けるモチベーションがキープできますよね。
停滞期には、運動の種類を変えて基礎代謝を上昇させること、そして体重の増減ではなく体型や見た目の変化を得られる運動に切り替えてみることが、ダイエットに挫折しないコツかもしれません。

もちろん、有酸素運動が好きで続けたい!という方はそのままでも大丈夫。その代わりに、息が上がるほどの心拍数まで強度を上げていくと無酸素運動と同じような効果が得られると言われています。

先ほど書いたように、停滞期はダイエットを続ける限り何度もやってきます。その度に刺激する部位を変えていけば、効率よく体全体を鍛えることができ、停滞期脱出にも効果的で一石二鳥です。

飢餓状態をいち早く脱する食事法とは?


次に食事の面ではどのようなことに気をつけたらいいのでしょうか?
停滞期は体重が落ちないと感じるだけではなく、リバウンドをしてしまう可能性もあります。
その理由は、ホメオスタシス機能によってエネルギーの吸収率が上昇し、運動によるエネルギー消費も低下しているためです。先に述べた、風邪の例と同じで、少量の食事から体が多くのカロリーを摂取しようと必死になっている状態ですね。
さらに、体重が減らないことに対するストレスや諦めから、この時期にドカ食いをしてしまうということもあるでしょう。

私もストレスが溜まると食事に走ってしまうタイプなので、停滞期のリバウンドは数え切らないほど経験があります。しかもなぜか、高カロリーの炭水化物を欲してしまうんです。それがさらにモチベーションを下げる原因になり、心身ともに最悪の循環に。この時期にリバウンドをすると、その後再び体重を落とそうとしても、エネルギーの吸収率がアップしているので、ダイエットを始めた時より痩せにくくなるという大きなデメリットがあります。

そこで、まずダイエットを始める時から心がけたいのが、無理な食事制限は行わないということです。
無理に食事を制限した場合、限界が来るのも早いです。そして、野菜中心の生活ではどうしても栄養が偏ってしまうので、ダイエット中こそ栄養バランスのとれた三度の食事をとることが大切なのです。

その上で、停滞期に積極的に摂取したいのがタンパク質です。
タンパク質には筋肉の増量を助ける働きがあるので、筋トレと合わせて摂取することが大切です。
タンパク質が多く含まれている食材としては、赤身肉、卵、豆腐などの大豆製品があります。

ダイエット中にお肉を避ける方は多いと思いますが、実はタンパク質を取らないと効率よく筋肉がつかないので、結果的に基礎代謝を下げることにつながりかねません。
そうなるとダイエットの効率も落ちてしまうので、停滞期にはタンパク質の摂取量を減らさないことが成功の鍵と言えそうです。
とは言っても、お肉ばかりを食べていてはもちろん摂取カロリーも増えて一時的には体重増加の原因にもなります。

体重を短期間でしっかり落としたい方は、市販されているプロテインを摂取すると控えめのカロリーで効率よくタンパク質を補給できるでしょう。
プロテインを飲むタイミングは、筋トレ直後、またトレーニングをお休みした日は就寝前に飲むのがおすすめ。
タンパク質を摂ることで、筋肉の増量だけではなく、髪の毛にツヤが出たり、爪が強くなったりする効果も期待できます。

停滞期に体重以外の変化を得られると、モチベーションのキープにも繋がりますよね。

プロテインというと美味しくなさそうなイメージの方もいらっしゃるかと思いますが、最近のプロテインはとっても美味しいです!
同じ会社からたくさんのフレーバーが出ているので、飲み比べをしてみるのも楽しいですよ。
プロテインの飲み比べ、なんてちょっと面白くて、お友達同士でも盛り上がること間違いなしです。ちなみに私のオススメはミルクティー味です。

そして意外と大切なのが、自分を甘やかす日を作ることです。
「ダイエット中なのに甘やかしていいの?」と思う方もいらっしゃると思いますが、これはチートデイと呼ばれ、日本語に訳すと自分を『騙す』日という意味です。
週に一度くらいのペースで、自分の好きなものを食べたり、トレーニングをお休みしたりします。そのことがストレスの解消に繋がるのはもちろん、飢餓状態だ!とびっくりしていた自分の体を定期的に通常状態だと騙す事で、停滞期を素早く脱する一助になるのです。

最近だとフィットネストレーナーのAYAさんもチートデイの大切さをお話されていて、AYAさん自身も週末は好きなものを好きなだけ食べるライフスタイルを体現されています。
チートデイを設ける上で気をつけたいのは、甘いものや高カロリーのもの、炭水化物の摂取は昼間のうちに終わらせる事です。例えチートデイとはいえ、夜間はエネルギー消費が落ちるので、美味しいものはお昼のうちに摂取してしまいましょう!ダイエット中はお友達とのランチの約束が吉ですね!

まとめ

  • 停滞期が始まるのはダイエット開始から1ヶ月後、もしくは体重が5%程度落ちた時から
  • 体が飢餓状態になると、基礎代謝が落ち、エネルギーの摂取率が上がり、運動でのエネルギー消費は減るというダイエットとは真逆の体の状態に陥る
  • 停滞期を迎えたら、運動は有酸素運動から無酸素運動へ切り替える。また鍛える体の部位を変えてみる
  • 食事の面ではタンパク質を積極的に摂取し、週一度を目安に体の飢餓状態を騙すためにチートデイを設ける

運動と食事の両方の面から、ダイエット中体が感じる飢餓状態をいち早く脱する方法をお伝えしました。
今年こそ痩せる!と決めたあなた!夏に素敵な水着を着ている自分の姿や、着てみたい憧れの洋服を着ている自分を想像して、停滞期を乗り越えましょう!

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