普段何気なく耳にする言葉に古語(古人が言った言葉)って多いですよね。現代の人たちではなかなか思いつかない言葉の言い回しで、初めて聞いたときは漢字や意味がさっぱり分からないけど、調べてみると「なるほど~」と思ってしまう言葉だったり、初めて聞いた言葉なんだけど、なんとなく漢字と意味が想像できるってことありませんか。(そう考えると昔の人たちの言葉のセンスってすごいですね)

今回はそんな古語の中から、「両雄並び立たず」という言葉について、言葉の意味はもちろん、どうやってこの言葉が生まれたのか、言葉の由来も解説していきたいと思います。

「両雄並び立たず」の言葉の意味

「両雄並び立たず」は「りょうゆうならびたたず」と読みます。

耳にするとなんとなく漢字も想像できて、漢字にして見てもそれだけでなんとなく言葉の意味を想像できる言葉ですよね。

まずは「両雄」とは、「二人の英雄、二人の優れた人物」という意味を表しています。

そして「並び立たず」とは、「並び立つ:並んで立つ、勝り劣りがない」という意味の対義語(反対の意味を持つ言葉)となるため、「並んで立つことはない、勝り劣りがある」と意味になります。

二つの言葉を合わせることで「二人の優れた人物は、並んで立つことはない」となり、もう少し分かりやすくすると、「二人の優れた人物は共存することは出来ない」という意味になります。

この言葉が出来た時代(詳細については下記「言葉の由来」の項目で説明しています)には、「同じくらいの力量を持つ英雄が二人いると、必ず勢力争いが起こり、どちらか一方が倒れることになる」という解釈がされていました。もちろん今でもこのような解釈は出来ますが、実際に現代で使用される場合は、もっと軽い表現になり「二人の優れた人物は共存することは出来ない」という意味で使われています。

「両雄並び立たず」の言葉の由来

中国の歴史家である司馬遷(しばせん)がまとめた中国の歴史書「史記(しき)」にこの言葉の由来はあります。

時はかなりさかのぼり、紀元前200年頃の中国で、楚(そ)の国の項羽(こうう)と、漢の国の劉邦(りゅうほう)が争っていました。(ちなみに「両雄」とはこの項羽と劉邦、二人のことを指しています)

楚の国の項羽が優位に戦いを進めていたので、漢の国の劉邦はいったん軍を下げて体制を整えようとしました。

そのとき同じ漢の国の儒者(じゅしゃ:今で言うところの学者さん)である酈生(れきせい)が劉邦に進言しました。

「我々漢にとって我が国の民が一番大事な存在です。

漢の民にとっては食べ物が一番大事な存在です。

今、相手の楚の国の軍の占領地にある大きな蔵(穀物が入った蔵)は守りが手薄になっています。

これは我々漢の国にとって天の助けです。

今このタイミングで軍を引き上げてしまえば、相手に立ち直るきっかけを与え、守りを固められてしまうでしょう。

それは大きな間違いです。

“二人の英雄がそろって王に並び立つことなど出来ません。”

王は一人なのです。いつかは楚の項羽と決着をつける時がきます。

いつまでもこの対立状態を長引かせては、民に動揺を与え不安定な状態にしてしまいます。

今このまま楚の軍と向き合い、楚の軍を圧倒する力を誇示し、あの蔵にある穀物を手に入れ、漢の軍の優勢を示すことで、民の身も心も潤すことができましょう。

それが天下に安定を与えることにもなります。」

このとき、 “二人の英雄がそろって王に並び立つことなど出来ません。”という意味を、酈生(れきせい)は「両雄は倶には立たず(りょうゆうはともにはたたず)」と言葉にしたそうです。

「倶(とも)」という漢字は「共(とも)」と同義語(同じ意味を持つ言葉)として考えられるので、「両雄は共に立つことはない」言い換えられ、「共に立つ」が「並び立つ」に変化し、現在の「両雄並び立たず」という言葉になったのでしょうね。

「両雄並び立たず」はどんな時に使われるの?

例えば、同じ会社や同じ部署内に優秀な二人がいるが、優秀な二人が争ってしまい、結局はどちらかが会社を辞めたり、部署を異動することになってしまう。

そんな時に「せっかくあの二人は優秀なのに、結局は”両雄並び立たず”か」というような使い方になります。

自分の周りを見ても、優秀な人は負けず嫌いな人が多いイメージがあります。そのため、優秀な人は並んで比較されることが嫌いで、物事に優劣をつけたがってしまい、両雄並び立たずになってしまうのかもしれませんね。

または、優秀な人が二人いることで、知らぬうちに派閥が出来てしまい、結局はまとまりがなくなってしまう場合もこの言葉が使われます。

そのときは「同じ部署に優秀な人間は二人いらない。”両雄並び立たず”で、かえってその部署はまとまりがつかなくなってしまう」といった使われ方になると思います。

「両雄並び立たず」に似ている言葉は?


類義語として一番近い言葉は、「両虎相闘えば勢いには生きず(りょうこあいたたかえばいきおいともにはいきず)」です。

これは、二頭の虎が闘えば必ずどちらかが倒れるか、もしくは両方倒れる。

という意味になります。

どちらの言葉も共に、両方が一緒に共存はしないという意味では同じです。

「両雄並び立たず」では、どちらか一方が倒れもう一方は残ることを意味していますが、「両虎相闘えば勢いには生きず」の場合、両方倒れるかもしれないという意味合いも含まれているのが若干異なる箇所でしょうか。

両雄並び立たずまとめ


  • 「両雄並び立たず」とは、「二人の優れた人物は共存することは出来ない」という意味を表す。
  • 言葉の由来は、紀元前200年前頃に楚の国項羽(こうう)と、漢の国劉邦(りゅうほう)という「両雄」が争っていった際、漢の国の儒者・酈生(れきせい)が劉邦に言った言葉「両雄は倶には立たず」が語源である。
  • 現代では、同じ社内や部署内で優れた人間が二人いる際に、いつかどちらかはいなくなるだろうという意味を込めて「両雄並び立たず」と使われている。
  • 両虎相闘えば勢いには生きず」という類義語がある。

    優秀な二人のうちどちらが一方が倒れるという意味では同じだが、この言葉はさらに両方倒れる可能性も含む言葉である。

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