酸化チタンというと、学校で習った人も多いのではないでしょうか?

化粧品などにも使われている物質ですが、食品添加物としても用いられているそうです。

酸化チタンは食品添加物としてどんな役割、用途があるのでしょうか?

毒性や発がん性などの安全性または危険性は問題ない?

酸化チタンとは?

酸化チタンとはチタンの化合物で、別名で二酸化チタンとも呼びます。

結晶構造は正方晶(アナターゼ型とルチル型)、斜方晶(ブルッカイト方)の3パターンがあります。

アナターゼ型の酸化チタンを900度以上で加熱するとルチル型に転移、ブルッカイト型を650度以上で加熱するとルチル型に転移します。

一度ルチル型に転移すると低温に戻してもルチル型のままです。

このことから、ルチル型が最も安定する構造ということがわかりますね。

酸化チタンは排気ガスに含まれる硫黄酸化物や窒素酸化物を硫酸や硝酸に分解し、大気中から取り除く特徴があります。

シックハウス症候群の原因であるアセトアルデヒドといった有毒ガスを分解する効果もあります。

酸化チタンは水溶性ではありませんが、水と馴染むと膜をつくる性質があることから、鏡などの垢汚れやくもり防止に用いられていることもあります。

この他には酸化チタンがナノ分子になると紫外線を遮断する特性があるので、日焼け止めやBBクリーム、CCクリーム、ファンデーション、リップクリームなどさまざまな化粧品に配合されていることがあります。

しかし酸化チタンは紫外線を浴びることで酸化するため、同時にコーディング剤も配合されることが多いです。

酸化チタンは皮膚から体内に吸収されることはありません。

そのため化粧品などを使用して酸化チタンが皮膚から吸収されて異変をきたすなどの危険性はありません。

酸化チタンの食品添加物としての役割と用途

酸化チタンは食品添加物として白色の着色料の役割があります。

ホワイトチョコレート、マシュマロ、飴、チーズ、脱脂粉乳、ヨーグルトなどの白い加工食品に特に使用されています。

着色料以外の用途では食品添加物として使用してはいけない規定があります。

また、スポンジケーキ、カステラ、きなこ、魚肉や鯨肉や食肉の漬物、昆布、醤油、食肉、魚介類、野菜、わかめなどの食品には酸化チタンを使用してはいけません。

白色に着色するだけではなく、さまざまな着色をするときの下地として酸化チタンが使われていることがあります。

代表的な食品だとケチャップですね。

また医薬品にも使われており、白いカプセルのサプリメントにも酸化チタンが用いられていることが多いです。

歯のホワイトニングや歯磨き粉にも使用されています。

白くするのは食品や医薬品だけではなく歯にも有効です。

酸化チタンの安全性や危険性

動物実験の結果から見ると酸化チタンには毒性が認められます。

WHOでは酸化チタンを発がん性のある物質と分類しています。

地球上でもっとも発がん性が高い物質のひとつともいわれています。

しかし日本では厚生労働省により「人に対して発がん性が疑われる」という報告にとどまっているのが現状です。

日本での生殖・発生毒性試験や遺伝毒性試験、反復投与毒性試験のいずれにおいても毒性の報告がないため、上記のような発表にとどまっているようです。

世界的に見ると、動物実験ではナノ粒子の酸化チタンが母体内の胎児に対して、胎盤関門を通過して神経毒を引き起こしたという結果があります。

そのため酸化チタンは不妊や妊娠合併症のリスクがあるといわれています。

また、吸入した酸化チタンは短期間で脳に達し、炎症や細胞ストレスの数値を上昇させることが報告されています。

同時に記憶を司っている海馬の神経に対しても損傷を与えたことから、酸化チタンが「認知症の発症につながるのでは?」という指摘があるそうです。

以上のことから「猛毒?」と思われるかもしれませんが、経口摂取の場合はそれほど毒性がないようです。

経口摂取による動物実験では合併症や体内組織の変化は見られず、死亡例もないそうです。

しかし短期間は肝臓へ酸化チタンが蓄積する様子はあったようです。

まとめ

・酸化チタンは紫外線を防ぐ効果があるため化粧品に配合されていることも多い。

・食品に対しては着色する目的以外では使用が認められていない。

・地球上で最も毒性の強い物質のひとつともいわれていますが、「皮膚から吸収されない」「経口摂取では毒性がほとんどない」という特性がある。

・酸化チタンは吸入することで強い毒性が示される。

義務教育中に一度は聞いたことがあるであろう酸化チタンですが、食品添加物としても使用されており身近な物質ですね。

吸入しなければ大きな問題はありませんが、気になる方は成分表示を確認して避けましょう。

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