新生児は泣くか寝るかが仕事。
笑顔がない時期は泣き顔か寝顔しか見れずに親は疲れてしまうことも多いですね。
ミルクをあげたり、おむつ交換したり、温度管理をしてもぐずってしまうことも。
そんなぐずりに対してはどういった対応が適切なのでしょうか?
「抱っこしすぎると抱っこクセがつく?」「放置してしまうと発達や将来への影響が心配」などさまざまな意見がありますね。
今回はそのなかでも「ぐずっている赤ちゃんを放置するのはNGなのではないか」「放置することで起こる弊害」という部分に焦点を置いて書いていきたいと思います。
ぐずりを放置するとサイレントベビーになる?
育児書を見ていると必ずといっていいほど「サイレントベビー」という言葉が出てきますね。
喋ることができない赤ちゃんは泣いて自分の気持ちを伝えていますが、それをやめてしまい泣いて訴えることを諦めた状態の赤ちゃんを「サイレントベビー」といいます。
サイレントベビーは一過性のものではない場合もあり、病気や障害がないのに感情表現が乏しくなります。
自己主張を諦めるというのは周囲へ働きかける意欲の低下でもあります。
そのため感情表現の乏しさだけでなく成長しても積極的に遊ばない、身体の成長スピードが遅い、指差し確認などをしない、視線を合わせない、声をかけても無視をするなどの特徴が見られます。
自分自身へも興味を失うので「遊びながら身体の動かし方を覚えて成長をする」「遊び方やおもちゃを工夫して脳を働かせる」というのをやめてしまうこともあります。
「感情表現が乏しくなる」というと泣いたり笑ったり怒ったりしなくなるだけと思われがちですが、決してそうではありません。
感情の表出は周囲や自分への興味であり、その興味は行動することの原理であり、成長するために必要不可欠な感情です。
サイレントベビーは親子間のコミュニケーション不足、ネグレク、身体的・精神的虐待が原因といわれています。
親子間のコミュニケーション不足を具体的に挙げると赤ちゃんが泣いても放置する、抱っこしない、赤ちゃんの言動や行動に反応を示さない、話しかけないなどです。
赤ちゃんは大人だけではなく、動物の感情を読み取ることもできるといいます。
大人になるにつれて他人や自分の感情に鈍感になってしまいますが、赤ちゃんはかなり鋭い感性を持っています。
同時に、善悪の判断や「相手はこういった気持ちがあるから自分を無視するんだ」といったその場に応じた状況判断はできません。
そのため放置することで無条件に「無視されてるならもういいや」と諦めてしまいます。
大人でも相手の心理を理解できても無視をされるのはいい気分ではありませんよね。
赤ちゃんのぐずり、放置以外の接し方
極端な話ですが虐待されたからといって全員がサイレントベビーになるというわけではありません。
しかし、ぐずりを放置することで赤ちゃんにとっていいことはないのだと思います。
育児書でも多くの場合は「放置はサイレントベビーの原因」など書かれているかと思います。
特にはじめての育児だと「24時間365日休む暇もなく赤ちゃんの相手をしていないといけない」と思ってしまう方もいるかと思います。
しかし決してそれほど神経質にならなくていいかと思います。
近年は核家族化が進み、ワンオペ育児や共働きも珍しくありません。
家事と育児をすべて完璧にお母さんまたはお父さんがやるとなると不可能だと思います。
声かけをしつつ家事をするなどの対応をとらざるを得ないという状況が少なくないのではないでしょうか。
そういった場合はサイレントベビーの原因にはならないかと思います。
核家族だと物理的に手が足りないことも多いです。
そういったときは声をかけながら家事をして、終わったらたくさん遊ぶなどの対応をすれば赤ちゃんもだんだんと状況を理解していきます。
「無視されているんじゃない」「お母さんやお父さんはこれが終わったら遊んでくれる」という気持ちを芽生えさせてあげることが大切かと思います。
家事や育児は家庭によってさまざまな状況または方法があると思いますが、コミュニケーションのなかで自分や家庭の状況を教えてあげることも大切ですね。
自分の子どもが赤ちゃんだったころ、ワンオペ育児で深夜でも昼間でもぐずるときがあって抱っこしても泣き止まないとい状況に焦ってしまい非常につらかったです。
しかし一緒に思い切り泣いてみたり、ぐずっている横で絵本を朗読してみたり、出産のときの思い出を語ってみたり、星空を見に行ったり「赤ちゃんの不機嫌に飲み込まれすぎないように」赤ちゃんの相手をしているとあまり苦痛ではありませんでした。
コミュニケーションは抱っこするだけでも、放置するだけでも、赤ちゃんの機嫌に応じた相手の仕方をするだけでもないと思います。
まとめ
・放置が原因でサイレントベビーになるかもしれない。
・核家族において物理的に手が足りないこともあるけど、声かけをしたり姿が見える位置にいることで安心感を与える。
・コミュニケーション方法は抱っこや放置だけではない。
・親も赤ちゃんも日常が辛くならないようなコミュニケーション方法を探すも大切。
将来や発達への影響を考えるとどんなコミュニケーションが適切なのかと非常にしんどく感じてしまいますめ。
実体ではないものまたは見えないものを想像していると、その想像が延々と終わらずに苦しくなります。
そのためあまり神経質にならずに、赤ちゃんというよわよわしさばかり見ずに一人の人間と接する気持ちで現在の状況を楽しむのが一番ですね。