健康的な油といえば植物性ものをイメージする人が多いかと思います。
動物性のものってカロリーとか安全性ってそんな良くないのでしょうか?
今回は動物性のものでも比較的使用率の高そうなラードについて調べてみました。
ラードのカロリー、安全性と危険性、食べ過ぎの弊害などをご紹介します。
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ラードとは豚の背油!
ラードといえば豚の背脂です。
豚の背脂から不純物を取り除いて、練り合わせて冷やし、香料を添加した純正ラードとパーム油などを合わせたラードの2種類があります。
スーパーなどで店頭に並んでいるものは純正ラードの場合が多いです。
また、ラードは加工食品や飲食店ではよく使用されているので、家庭であまり使っていなくても知らず知らずのうちに摂取しているかと思います。
チャーハンや焼きそばなどにラードを加えると植物性の油では感じられない、独特な旨味や味の深みが増して美味しいですね。
ラードの融点は33~46度ほどで、賞味期限は3ヶ月ほどあります。
一方、牛脂は融点40~50度ほど、賞味期限は1ヶ月ほどと、同じ動物性の脂でも異なりますね。
ラードは糖質、ビタミンA、B1、B2、E、オレイン酸が主な栄養成分です。
成長期の子どもはビタミンA、Eが不足になりやすいので、ラードなどの動物性脂を使うと少量でも効果的に摂取できます。
ラードに含まれるオレイン酸は不飽和脂肪酸で、身体の酸化防止、悪玉コレステロールの抑制などの効果があります。
脂質には不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸がほぼ同等に含まれていて、飽和脂肪酸はエネルギーの源になります。
ラードの食べ過ぎは注意?
ラードは100gあたり940キロカロリー、大さじ1杯で114キロカロリー程度です。
114キロカロリーを運動量で換算すると26分程度のジョギングに相当します。
一方、植物性は100gあたり920キロカロリーなので極端に植物性よりラードが高カロリーというわけではありませんね。
ラードは慢性及び急性腸炎、動脈硬化がある人には禁忌とされています。
ラードの脂質で下痢が治りにくくなったり、飽和脂肪酸は血中の脂質を増加させる働きがあるので注意が必要です。
これらの疾患の闘病中または治療中、なりやすい人は気を付けた方がいいですね。
ラードはたんぱく質と炭水化物が0gで高脂質なものです。
不飽和脂肪酸には悪玉コレステロールの抑制といった働きがありますが、飽和脂肪酸には悪玉コレステロールを増やす働きもあります。
研究者によっては摂りすぎるのはよくないといわれており、植物性も合わせて1日80~100g程度に収まるのが理想とされています。
そんな一方でラードはダイエット向きともいわれています。
動物性の脂なので腹持ちがよくなり、サラダ油で調理するよりも空腹感があまりわかなくなるらしいです。
また、動物性の脂は体外へ排出される特徴があるので、適量のラードを摂ることで便秘にもなりにくくなります。
結果、間食もなくなり老廃物も排出され、ストレスなく痩せられるそうです。
脂質でエネルギーを摂らないと臓器や細胞が正常に働かなくなる恐れがあるので、ダイエット中でもある程度は脂質は摂るようにしましょう。
ラードの安全性と危険性
「ラードとは」にも書きましたが、ラードには2種類あります。
パーム油は赤道周辺の東南アジアやアフリカ、中南米が原産地です。
パーム油は独特な風味があり、石鹸や化粧品といったものの材料として工業用油として栽培されていた歴史があります。
1970年代後半、精製技術の進歩により無味無臭のパーム油を加工できるようになったので、それからは食用としてもメジャーになりました。
食用として使われているものは精製パーム油なのでもちろん安全ですが、脱臭、脱色、薬品での処理などの工程を経て精製されています。
このパーム油は人に対して発がん性が疑われる物質が含まれているそうです。
国際的には多くても、1日に体重1kgにつき0.002mgまでの摂取なら無害とされています。
しかしこの基準値は体重60キログラムの成人でもカップラーメン1杯で上回ってしまいます。
そのためパーム油が配合されているラードは避けて、純正ラードを使うのが安全性が高いといわれています。
しかしパーム油は輸入オイルの8割を占めるシェアがあります。
パーム油を使うと揚げ物もさっくりとして美味しいので人気があります。
調整ラードだけを避けるだけですべてを避けられるものではないですが、より健康的なものを使いたいですね。
まとめ
・ラードには調整ラードと純正ラードの2種類がある。
・動物性の脂は腹持ちがいいし、植物性の油とあまりカロリーが変わらないのでダイエット向き。
・パーム油が使われている調整ラードより純正ラードが安全性が高い。
「植物性は健康的かつ安全」といわれてきていてあまり疑問視していましたが、一口で植物性の油といってもさまざまな植物から油をとっているのでどれが安全性が高いのかなどは自分たちで把握することが大切ですね。
ラードは見た目からして高脂質の塊という印象でしたが、決してそんなことはなく見直していきたい価値観ですね。