自分を産んで育ててくれた母親が亡くなってしまったときは、耐えられないほどの辛さに襲われます。
身近な人が他界してしまったとき、一番辛いのはその直後だと思われがちです。
しかし実際はそうではなく、少し経った頃に喪失感がやってきます。
お母さんというのは小さい頃からずっと自分のそばにいてくれた「居て当たり前」な存在ですよね。だからこそ、お葬式などドタバタとした非日常なことが終わり、日常が戻ってきた頃、当たり前の存在が欠けていることで悲しみを実感してしまうのです。
この辛さに立ち向かい、必死に日常を生きている方が、少しでもその辛さを乗り越え心が楽になる方法をお伝えしたいと思います。
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頑張りすぎない
周りの方に、「大変だろうけどしっかりね」などと言われていて、必要以上に気負いすぎていませんか?
あなたが辛いことも、頑張ろうとしていることも、周りの方はきっと分かっています。
お母さんという身近な存在が他界してしまっても学校やお仕事に行こうとしているご自分を、どうか褒めてあげてください。
急に全てを乗り越えようとするのは無理があります。傷に最も有効なのは時間だからです。
ありきたりな言葉になってしまいますが、時間が全てを解決してくれます。
そのため、「少しだけ」頑張ることを心がけてみて欲しいと思います。
人と会うようにする
時間が解決すると述べましたが、それはなかなか短いものではありません。
そしてお母さんのことを思い出して一番辛くなってしまうのは、1人のときではありませんか?人と会って会話をしている間は少しだけでも気が紛れると思います。
また、肉親とはいえ人と関わってできた傷は、人と関わることで徐々に埋まります。
お母さんがいなくなってしまって辛い気持ちは、喪失感が大部分を占めています。
代わりになる人はいなくても、大事な人を作りその人と関係を築いていくことは、その穴を埋めてくれます。
そのためどんなに辛くても、どうか他の人と学校やお仕事以外でも関わることをやめて欲しくないと思います。
読書をすること
人から言葉をかけられても、素直に受け取れないことはありませんか。
私は周りが自分のために言ってくれた言葉と分かっていても、「あなたに何がわかるの」と頑なになってしまうことがあるため、辛いことがあると読書をします。
本は向こうから寄り添って来ません。どの本を読むか選ぶのも、その中から言葉を拾って心に貯めることも自分だけでできます。
自分の境遇と近いテーマはもちろん、ファンタジーなど全く異なる分野でも気分転換になるのではないでしょうか。
心療内科を頼ること
心療内科と聞くと何だかハードルが高そうに感じる方はいらっしゃるかもしれません。
しかし、例えば風邪をひいてしまった時。
軽いものなら病院に行かずに治そうとするかもしれませんが、症状が重い場合は病院に行って先生と薬を頼りますよね。
心だって身体と同じです。
辛い時に頼り、それを治すために病院があるのです。
お母さんが他界してしまって辛く思う気持ちは何もおかしいものではありません。こんなに落ち込んでしまうなんて自分は弱い人間なのだろうか、などと思わないで欲しいです。
心療内科の先生方は心の回復のプロです。
心を楽にするために行ってみるのも有効だと思います。
罪悪感を持たないこと
私の友人に、肉親が他界した後少し明るさを取り戻したものの、「この辛さを忘れて普通の生活を送ってしまったら、お母さんのことを忘れてしまっているようで申し訳ない」と言い再びふさぎこんでしまった子がいました。
確かにこの友人の言うことは半分は合っています。人間は悲しいことや辛いことの記憶は優先的に失うようになっているからです。
しかしこれは、その悲しみを乗り越えて生活を送ることができるような脳の仕組みなのです。
悲しみから抜け出すことは、その人への気持ちが薄れているわけではありません。
それに、いつまでも悲しんで心から生活を楽しめないようでは、亡くなったお母さんも心配なさっていると思います。
どうか徐々に悲しみが薄くなっていっていることに罪悪感を持たないでください。
まとめ
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必要以上に頑張って自分を追い詰めない。
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周りの人間と積極的に関わり、大切な存在を作る。
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その人間関係に疲れたら読書をして自分の時間を作る。
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心の回復のプロである、心療内科を頼る。
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お母さんが他界したことへの辛さが薄れることに罪悪感を持たない。
先ほどもお伝えした通り、辛さを乗り越えるのに最も有効なのは時間です。
これらは、その時間が経過するまでに行うことで少しは気持ちが楽になるという方法なので、劇的な効果があるわけではありませんが、少しでも皆さんの心が晴れれば良いなと思います。