昼食を食べた後に、いきなり睡魔に襲われた経験は誰にでもあると思います。昼下がりに公園のベンチでウトウトする、といった状況ならば全く問題ありませんが、大事な会議やセミナーの受講中、運転をしているときなど、絶対に寝てはいけないシチュエーションの時もありますよね。私も、仕事中であれ、車のハンドルを握っているときであれ、昼過ぎに必ず眠くなってしまう一人です(笑)。

 

昼間の眠気は、単純に睡眠が足りないことが原因のケースも多いので、最低でも6時間は睡眠を確保しておくべきです。また、覚醒を維持する神経伝達物質が欠乏する病気である「ナルコレプシー」を発症すると、日中に繰り返し耐えがたい眠気に襲われる場合もあります。

 

しかし、睡眠が足りていても、病気でなくても日中に強い眠気がやってくるケースはあります。ではどうして昼過ぎに眠気がやってくるのか、どうしたら眠気に打ち勝つことができるのか、その原因と対処法を調べてみました!

昼過ぎに眠くなるのは、「満腹感」と「アフタヌーンディップ」が原因

 

「昼食を食べるとその消化のために胃や腸に血流が集まり、脳に行く血流が減るので眠くなる」といわれていますが、どんな状況においても脳への血流は第一に確保されるように人の体はできています。昼食後の眠気は血流の問題ではなく、満腹感によって意欲が低下し、何もする気が起きずに眠くなるためとされています。

 

では、昼食をとらなければ眠くならないのでしょうか?実は昼食を食べても抜いても、午後2時くらいには眠くなってしまうようなのです。スタンフォード睡眠研究所の研究では「昼食は、午後2時頃に起きる眠気の襲来には関係がない」という実験結果が出ています。

 

午後2時頃に眠くなる理由は、「アフタヌーンディップ」と呼ばれる人間固有の生理機能が関係しています。アフタヌーンディップとは、健康な人でも1日のうち午後2時頃に眠くなってしまう現象のこと。この原因は「体内時計による活動量の低下」と「日々の睡眠不足の積み重なり」によるものです。

 

それでは、眠気の原因がわかったところで、昼食後の眠気を解消する具体的な方法を次のステージで見ていきましょう!

昼食後の眠気を解消する4つの対策

 

昼食後の眠気の原因は、「満腹感」と「アフタヌーンディップ」。これらの原因から考えられる、眠気を解消するための対策がこちらです。

 

対策①:昼食は腹八分目に

昼食後にやってくる眠気は、厳密にいうと「眠気」ではなく、満腹感からくる「気だるさ」です。この気だるさを助長しないためにも、昼食でお腹いっぱいにすることは避けたほうがよく、あまりに重い食事をとるとオレキシンなどの覚醒系物質の働きを抑制してしまう可能性もあるので注意が必要です。よって、昼食は満腹ではなく腹八分目を目安に摂るようにしましょう。

 

対策②:15分~20分の仮眠をとる

眠たければいっそ眠った方が効果的なのは間違いありませんが、仮眠をする時間に気を付ける必要があります。脳のパフォーマンスを上げる仮眠時間は「15分から20分程度」と言われており、実際私は昼休みに20分ほどの仮眠をとって眠気の解消に努めていますが、かなりの効果があったことを実感しています。ただし、いくら仮眠が良いといっても「仮眠できる環境にない」人がほとんどかもしれません。

 

対策③:ホットコーヒー・温かい紅茶や緑茶を飲む

「カフェインが眠気に効く」ことは広く認識されていて、飲むと基礎代謝が上がり覚醒モードに体が切り替わる働きがあります。カフェインを多く含む代表的なものは、コーヒーや紅茶、緑茶です。ただし、暑いからといって冷たい飲み物を飲んではいけません。なぜなら、「睡眠時は体温が下がる・覚醒時は体温が上がる」という体温と睡眠の関係があるからです。

眠気を助長させないようにするには、アイスコーヒーよりもホットコーヒー、冷たい緑茶より温かい緑茶のほうが飲むと体温が多少上がり、覚醒度も上がると考えられます。

 

対策④:ミントやカフェイン入りのガムを噛む

「よく噛む」ことも覚醒効果を高めてくれるひとつの方法として挙げられます。ガムなどを噛むことによって、歯の根元にある「歯根膜」と呼ばれる部分が沈み込み、その周辺の血管が圧縮されます。噛むことを続けると、血管が圧縮と弛緩を繰り返してポンプの働きをし、脳内へ血液を送り込むようになるのです。そうすることで、脳が活性化されて集中力・記憶力などが高まると言われています。

さらに、ミントやカフェイン入りの覚醒作用のあるガムを噛めば、「覚醒成分の刺激」と「噛む刺激」の2つが同時に手に入るので、より眠気を抑える効果が期待できます。

まとめ

・昼過ぎの眠気の原因は「満腹感」と「アフタヌーンディップ」

・眠気対策①「腹八分目に抑える」

・眠気対策②「15分~20分の仮眠をとる」

・眠気対策③「ホットコーヒーや温かい紅茶・緑茶を飲む」

・眠気対策④「ミントやカフェイン入りのガムを噛む」

 

私は対策②で昼過ぎの眠気を乗り切っていますが、仮眠をとれないときは対策③で体温を高める方法を試しています。皆さんも自分にあった眠気対策を探してみてはいかがでしょうか。

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