ノロウイルスの消毒に使われる次亜塩素酸ナトリウム。
実は食品添加物としても使われています。
「ノロウイルスなどの除菌ができるくらいだから相当強い薬なのでは…」「口にして大丈夫なの?」と疑問も。
そんな食品添加物としての次亜塩素酸ナトリウムの安全性や毒性などについて調べてみました。
Table of Contents
次亜塩素酸ナトリウムとは? 用途や使い方を解説!
次亜塩素酸ナトリウムはノロウイルスなどの細菌を不活性化させたり、医療器具などの除菌、上水道やプールの除菌、衣類やリネンの漂白などに使われていますね。
そんな次亜塩素酸ナトリウムは実は食品添加物としてカット野菜やフルーツに使われています。
キッチンハイターにも次亜塩素酸ナトリウムは配合されているので「口にして本当に大丈夫なの?」と疑問を持っている方も少なくないかと思います。
次亜塩素酸ナトリウムはかなり強力な殺菌・除菌作用があるので心配ですね。
次亜塩素酸ナトリウムは濃度を用途別にしっかりと守れば危険ではないといわれています。
70度以上で加熱することで次亜塩素酸ナトリウムは酸素と塩に分解される性質があるため、次亜塩素酸ナトリウムで殺菌されているカット野菜やフルーツは心配という方は加熱するといいですね。
また、次亜塩素酸ナトリウムは直接食品に添加しているわけではないので、成分表示には載っていません。
次亜塩素酸ナトリウムを食品添加物として使用する場合は虫や菌への殺菌剤、カットした野菜の変色を防ぐ目的で使用されています。
以前、次亜塩素酸ナトリウムは白ごまを漂白するために使われていましたが、現在は白ごまへ次亜塩素酸ナトリウムを使用するのは禁止されています。
白ごまをより真っ白に漂白して、値段を上げていたことが問題視されました。
次亜塩素酸ナトリウムの安全性や毒性について
次亜塩素酸ナトリウムは食品の製造、加工、保存のために使用されています。
水だけでは充分に細菌やウイルス、虫を落とすことができないので、それらを除去するために次亜塩素酸ナトリウムは使われています。
30代の男性が1%の次亜塩素酸ナトリウムを数十ml誤飲した際は嘔吐、腹痛、下痢の症状が見られたようです。
幼児が5%の次亜塩素酸ナトリウム口腔内の洗浄として使用後に皮膚の糜爛が生じ、飲んでしまって死亡事故に至ったケースもあります。
次亜塩素酸ナトリウムを誤飲してしまって副作用が認められたケースは10件ほど見つけましたが、カット野菜などの次亜塩素酸ナトリウムによる洗浄による事故については発見できませんでした。
捕捉ですが、次亜塩素酸ナトリウムを誤飲した場合は牛乳を飲むことで次亜塩素酸ナトリウムを不活化させることができます。
生野菜の殺菌と次亜塩素酸ナトリウムについて
生野菜には10万~100万個ほどの菌が付着しているそうです。
びっくりするほどの量ですが、害がない菌であれば水洗いしてそのまま食べても問題はないそうです。
しかし生野菜を販売するということは衛生的にも規格基準が設けられているので、家庭菜園の野菜をそのまま食べるのとはわけが違います。
特にカット野菜のように手を加えた場合は食中毒や腐敗のリスクが高まるので殺菌処理は必ず行わなければなりません。
生野菜の殺菌には次亜塩素酸ナトリウム、オゾン、弱酸性次亜塩素酸水の3パターンが一般的なようです。
オゾンや弱酸性次亜塩素酸水は不安定で時間が経つと水に戻ってしまう性質があります。
そのため生野菜をこれらで殺菌処理すると水に変化するので安全性が高いのですが、充分に日持ちしないのがデメリットです。
次亜塩素酸ナトリウムは安定して日持ちし、殺菌剤として使用歴が長いため、いまだに次亜塩素酸ナトリウムで殺菌処理をしているメーカーは多いです。
次亜塩素酸ナトリウムの欠点として、臭いやトリハロメタンという発がん性が疑われていましたが、近年では特有の臭いとトリハロメタンの発生を抑えたタイプの次亜塩素酸ナトリウムも販売されています。
まとめ
・殺菌処理のために次亜塩素酸ナトリウムは食品に使用されている。
・カット野菜などの洗浄で次亜塩素酸ナトリウムを使用しても、副作用や死亡事故の報告はない。
・臭いと発がん性を抑えたタイプの次亜塩素酸ナトリウムも開発された。
ハイターやカビキラーの独特の臭い、つまり次亜塩素酸ナトリウムの臭いは「危険そう!」と不安になりますね。
しかし食品の洗浄として使われている歴史が長いけれど、副作用や事故の報告もないため信頼性は高いかと思います。