「サラリーマンの生涯賃金は3億円」など聞いたことはないでしょうか?
実はこの生涯賃金3億円というのは2005年くらいのときの話だそうです。
では今はどの程度が生涯賃金といわれているのでしょうか?
20代の人にとっては途方もない数字にみえます。
2018年の20代の人たちにとっての生涯賃金とはどの程度なのでしょうか?
3億円?2億円?1億円?
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実際のところは…?
2018年の20代の平均年収
20~24歳(20代前半)の平均年収は258万円、25~29歳(20代後半)の平均年収は351万円といわれています。
20代前半の男性の平均年収は275万円。
ボーナスがないと考えると月22万円程度。
20代後半の男性の平均年収は383万円。
ボーナスがないと考えると月31万円程度。
20代前半の女性の平均年収は241万円。
ボーナスがないと考えると月20万円程度。
20代後半の女性の平均年収は309万円。
ボーナスがないと考えると月24.5万円程度。
多くの会社では20代前半で年収はあまり増えませんが、20代後半となると昇格などがあり徐々に増えていくことが多いようです。
また、20代後半になると男女差が開いていきますね。
20代後半の女性となると正規雇用だけではなく、子どもを産んで非正規雇用になっている人も多いため、男女差が出てきていると考えられます。
大卒で定年まで民間企業で働いた場合の生涯賃金は?
男性だけの平均年収は30代前半で446万円、30代後半で502万円、40代前半で564万円、40代後半で629万円、50代前半で656万円、50代後半で632万円程度。
男性が大卒(22歳)から定年(60歳)まで働いた各年代の合計年収は20代で2685万円、30代で4740万円、40代で5965万円、50代で6440万円となります。
これらを合計すると1億9830万円となります。
つまり、今の大卒男性の20代の人は生涯賃金が1億9830万円となるわけです。
十数年前の生涯賃金は3億円といわれていましたが、今の20代の生涯年収はその額に全然届きませんね。
もちろんこれらは平均年収から算出された生涯年収ですので、実力または会社次第ではもっと上回っている人もいるかと思います。
また、ここの退職金が加味されることで本来の生涯賃金となるかと思うのですが、実は退職金というのは支払うことが義務化されているわけではありません。
そのため退職金がない場合は生涯年収イコール生涯賃金となる場合があります。
退職金は民間企業の場合、「退職時の1ヶ月分の基本給×就業年数×給付率」になります。
そのため出世して基本給が高く、勤続年数が長い人ほどもらえる退職金の給付額は大きくなります。
民間企業に退職金の平均額は大卒の男性で1941万円だそうです。
生涯年収に合わせると2億1771万円となり、退職金のある会社の場合の生涯賃金は2億1771万円となりますね。
それでもやはり十数年前の生涯賃金より大幅に低い金額です。
職業別の生涯賃金
最も生涯賃金が良いといわれている職業は「投資銀行業務」で平均年収855万円、生涯賃金が4億226万円です。
投資銀行業務は生命保険、損保保険、投資信託会社、アセットマネジメント会社で、高度な知識とスキル、キャリアが必要となる専門職です。
金融業界はもともと平均年収が高いことで有名ですが、金融業界でも交互なスキルが必要な投資銀行業務は平均年収も生涯賃金も相当良いですね。
続いてが「ファンドマネジャーなどの運用」で、平均年収837万円、生涯賃金3億9754万円です。
ファンドマネジャーは金融資産を運用する専門職で、運用に関する職業は他にもディーラーやアナリストなどもあります。
次は「経営コンサルタント」で、平均年収722万円、生涯賃金3億2612万円です。
経営コンサルタントはその名の通り経営をコンサルティング(企業などの役員などに対して解決策を示して発展を助ける役割)を行います。
これらの職業は意外にも必ず資格を要するわけではありません。
有利になる資格はさまざまありますが、絶対的に必要ではないので資格を取って転職することも可能ではあります。
国家資格を持っていると高収入を見込めるというわけではないようですね。
逆に不安定ではありますが、フリーランスでも爆発的な人気で高収入を得ている人もいます。
国家資格などがあると働ける場が多いので安定感はありますが、それ以上の高みを目指す場合にはスキルや知識が物を言いますね。
まとめ
・男性が大卒から定年まで働いた各年代の合計年収は20代で2685万円、30代で4740万円、40代で5965万円、50代で6440万円。
・退職金は民間企業の場合、出世して基本給が高く、勤続年数が長い人ほどもらえる退職金の給付額は大きくなりますが、退職金制度がない会社もある。
・退職金のある会社の場合の生涯賃金は2億1771万円となる。
就職すれば安定した賃金を得て不安なく暮らせるという時代は終わってしまったようですね。
2020年は日本でもオリンピックがあり、経済効果が高まることが予想されます。
その年に就職を決める20代の人たちは景気が潤っているのでしょうか?
現代は年収だけでなく年金の不安などもありますが、今後日本はどういった動きをするのか気になりますね。