理論とは論じられる理(ことわり)であり、わかりやすく言うと、「ものごとが存在するために必要な出来事や、変化するときに起こる法則などを文章や言葉で表現したもの」です。
逆に論理とは、理に基づいて論じることであり、これも言い変えると「常識や法則に従って、自分でものごとを説明したり考えたりする道すじ・過程」です。つまり、理論は「規定・決まり事」の一種、論理は「手段・方法」の一種であるということができます。

この理論と論理、似たような言葉ですが全く違うことを指しているのです。理論という言葉を用いて、「理論武装をする」なんて表現を使ったりもしますが、たまに「論理武装」という言葉もインターネット上で散見されます。

この「理論武装」と「論理武装」は、いったい何が違うのでしょうか?そもそも理論武装とはどういった意味なのでしょうか?これらの言葉の意味をじっくりと紐解いていきます。

理論武装の意味


理論武装と聞くと、何やら大がかりな鎧を着ているようなイメージを受けます。実際には理論は形のないものですので、鎧のようなものは見えません。あくまでここでの「武装」は体に直接身に着けているものではなく、知識として頭の中にインプットされているものと考えてください。

先ほど言ったように、理論は決まり事の一種です。それを「武装」して相手からの攻撃を止めることを指すのですから、「理論武装」とは、「自分の置かれている立場や自分の主張を、相手の意見や批判から守ったり対抗したりするために、だれもが納得する決まり事(理論)を文章や言葉で準備しておくこと」です。この決まり事が、相手の批判から自分を守るための見えない鎧となるので、武装という表現が使われています。

この理論武装がしっかりしていれば、相手から意見や批判があろうとも、論破することが可能になるのです。そのためには、普段から知識を積み重ねておく必要があります。

論理武装という言葉はあるのか?違いは?


それでは、「理論武装」ではなく「論理武装」という言葉は存在するのでしょうか。理論武装は、理論という決まり事を頭の中に入れておいて、他人の批判に対して自分自身を守る文章や言葉(見えない鎧)であると説明しました。

ところが、論理というものは物事の考え方の一つです。「論理武装」という言葉を作ろうとすると「常識や法則を土台として自分の考えを整理したり、ものごとを理解したりすることによって相手に対抗する」という意味になってしまいます。論理を構成する自分の考えや理解というものは、時には間違って解釈してしまうこともあるため、相手に反論するスキを与えてしまうことになります。つまり、考えや理解だけでは相手を論破することは難しいと思われますので、論理武装という表現はどうやら間違いであるのではないかと私は考えています。実際、論理武装という言葉は辞書では出てきません。逆に、理論は「誰もが納得する決まり事」ですから、相手に付け入るスキを与えないという点で、鎧となる意味があると言えます。

論理という言葉は、よく「論理的な話し方」「論理的思考」などと使われることが多くあります。論理的な話し方は「常識や法則性に基づいて、自分なりに筋道を立てた話し方」、論理的思考は「今までの法則・原理に沿った自分の考え」などと表現されます。論理は、説明や議論をする上での適切な手順や手段を組み立てることですが、あくまで「自分が組み立てる」というニュアンスが入ります。例えば「論理的な話し方」の場合、「自分が適切と思われる手順・手段を用いた話し方」となり、この手順や手段が相手に受け入れらない場合は、同意を得られることができないかもしれません。よって、「論理武装」に無理やり意味をつけるとすると、「自分が考えた手順・手段を用いて他人の批判から身を守ろうとする紙装甲のようなもの」となってしまいますね。

一方で、理論は「自分が」ではなく、「すでに確立されている」という背景が含まれます。「相対性理論」など学問でよく使われていますが、すでに原因と結果がはっきりしているものとして扱われているためです。なので、理論という言葉には「話し方」「思考」というあいまいな表現ではくっつかず、明確な単語と合わせた方がしっくりきますね。
そのため、理論で固めた人に対して、「武装」という比喩を用いてまるで鎧を着ているかのように表現されているのだと思います。

まとめ

  • 理論武装とは、自分の主張を批判から守る為に誰もが納得するものを準備すること
  • 論理とは、常識を土台として自分の考えを整理したり、ものごとを理解したりすること
  • 論理には「自分が考えた」という意味を含むため、論理武装という言葉は成立しない
  • 論理武装に無理やり意味をつけるなら、「自分が考えた手順・手段を用いて他人の批判から身を守ろうとする紙装甲のようなもの」

理論と論理、似たような言葉ですが意味が全く異なります。理論はすでに確立されたもの、論理は自分で組み立てるものと覚えておきましょう!

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